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シト・シャムシ

© 1998 RMN / Hervé Lewandowski

古代オリエント美術
イラン

執筆:
Caubet Annie, Prévotat Arnaud

ブロンズ製のこの大きな台盤は、宗教儀式を表現している。中央に、慣例に従った裸の男性が 献酒用の瓶(かめ)、おそらく奉献用のパン、石碑などの礼拝用の調度に囲まれており、様式化された都市の情景の中で、階段状の塔、壇上の神殿、聖なる木立が見える。エラム中王国時代(紀元前15世紀-12世紀)では、彫像や浮彫の大記念碑の制作にあたり、エラムの金工たちによる冶金技術の見事な技巧が窺える。

儀式

二人の裸の人物は、ブロンズ製の台盤に置かれていて、地面に片膝を立てる一人が両手を伸ばして開け、連れの男性がくちばし状の注口を有する壺の中身を上から彼に注いでいる。舞台は様式化された都市風景の中で繰り広げられ、そこには、柱が付け足された階段状の塔もしくはジッグラト、高い壇上の神殿などの縮小した建物が立ちはだかる。大きな瓶(かめ)は、縄文装飾が施された土器で、水や食料の保存に使用されていたピトス(大瓶)を連想させる。頭頂部が弓形の石碑は、長方形の水盤のそばに建つ。浮彫のドロップ状の列はおそらく祭壇用の固形食品の形相を再現したものであり、一方切り込みが入った柱は木立を表している。男性の身体は精巧に作られて、顔にはひげがないが、頭は剃られ点々で髪の毛の痕を示している。顔の表現は穏やかで、眼を開き、口は微笑みを浮かべている。碑文から「我はシルハク・インシュシナク、シュトル・ナフンテの息子、インシュシナクの最愛の奉仕者、アンシャンとスーサの王、我はブロンズ製の日の出を作った」と奉献者の王名とその意味の一部を明かしてくれる。

チョンガー・ザンビール:宗教の都

この作品が発見されたのはスーサのアクロポリスであるが、その状況は漠然としたものである。おそらくそれは、墓所の組積構造に再利用されていたか、もしくは葬祭神殿に組合せられていたに違いない。ところで類似関係を知るにあたり、チョンガー・ザンビ-ルの発掘で明らかにされたエラム人の慣行との比較が不可欠である。この遺跡には、紀元前14世紀、スーサの東の約10kmのところに、ウンタシュ・ナピリシャ王朝によって創設された、第2の王都の跡がある。ジッグラトと城壁に囲まれた神殿を含む神殿複合体 は、広場、列柱また祭壇などの施設を備えていた。そこにはヴォールト天井の墓を備えた「葬祭宮殿」も発見された。

エラム中王国時代の王朝美術

シルハク・インシュシナク王は、紀元前12世紀初頭シュトル・ナフンテ王により創設された王朝の統治者のなかで最も優れた王であった。基礎工事用の多数の煉瓦は、彼の建設政策を証拠立てており、王はスーサの主要な神インシュシナクを祝って記念碑の数を増やした。エラム中王国時代のスーサの芸術家たちは、ブロンズ製の大作品の妙技に卓越している。別々に鋳金されて鋲(びょう)打ちでつなげた要素からなる複雑な技術を見せるシト・シャムシのほかに、スーサの発掘から、古代ブロンズ像のなかで最も大きい像がもたらされた。それは14世紀に年代推定されるウンタシュ・ナピリシャ王の王妃ナピルアスの立像で、頭部欠失の高さが129cmに重さが1750kgもあり、無垢の鋳金でつくられている。また、ほかのブロンズ記念碑から、スーサの冶金工たちの完璧さが認められている。その中に、蛇に取り囲まれ、そして流水の壺をもった女神に支えられた祭壇用テーブル、あるいは木の下で鳥が餌(えさ)をついばむ景観が彫られた装飾パネルの上部に戦士の行列で飾られた浮彫が挙げられる。今日それらの作品は損なわれてしまったが、彼らの偉業の技の証である。大量の金属使用により、スーサ人がオマーン国とアナトリア地方に位置する主要な銅山を利用できていたことを証明している。そして、スーサが流通網と遠距離交易の中心に位置していたことが窺える。

作品データ

  • シト・シャムシ

    エラム中王国時代、紀元前12世紀頃

    イラン、スーサ、アクロポリス遺丘

  • ブロンズ

    高さ60cm、幅40cm

  • 1904-1905年、ジャック・ド・モルガン発掘

    シト・シャムシ通称シト・シャムシまたは「日の出の儀式」と呼ばれる礼拝の場の模型

    Sb 2743

  • 古代オリエント美術

    シュリー翼
    1階
    イラン、中エラム時代のスシアーナ:紀元前1500‐紀元前1100年頃
    展示室10

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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