Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>ジェドエフラー王スフィンクスの頭部

作品 ジェドエフラー王スフィンクスの頭部

古代エジプト美術部門 : 先王朝時代末期から中王国時代末期(前3800-前1710年頃)

ジェドエフラー王スフィンクスの頭部

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
先王朝時代末期から中王国時代末期(前3800-前1710年頃)

執筆:
Aït-Kaci Lili

クフ王(ケオプス)の息子であり後継者であり、カフラー王(ケフレン)の兄でもあったジェドエフラー(ディドゥフリー)は、彼の父や弟と比べるとあまり知られていない人物である。彼は、自分のピラミッドを、父や弟がピラミッドを造営したかの有名なギザ台地にではなく、そこから8Km北にあるアブ・ラワシュ(アブ・ロアシュ)に造営させている。この肖像は、20世紀初頭にフランス考古学研究所がジェドエフラー王のピラミッドに隣接した神殿の廃墟の発掘を行なった際に、夥しい数の建造物や彫像の破片と共に発見されたものである。

忠実に描かれた顔つき

実物大に彫られたこの頭部は、写実主義的な肖像とは言えないものの、王の顔つきを再現しようと試みた彫り師によって彫られたものである。顕著に突出した頬骨、極僅かに湾曲した眉、化粧されていない小さい目、丹念に描かれた厚い唇、後ろに反った顎などは、この王のどの肖像にも見られる顔の特長である。ジェドエフラー王は、額の位置にバンドが付いた無地の亜麻でできた王の被り物、ネメス頭巾で頭を覆い、耳を出している。うなじの横に垂れた頭巾のすその部分は破損しているが、この破損した面の角度から、この作品が伏せて横たわったライオンの頭部であった事が明らかになった。

スフィンクスの頭部

この頭部は、スフィンクス姿の彫像の一部であった。額に付けられたバンドの上に、鎌首をもたげ、今にも毒を吐き出して襲いかかろうとしているコブラ、王を守護する聖蛇ウラエウスが彫られている。残存する右肩の形から、人間の腕を持っていたことが分かる。ライオンの身体と人間の腕を持ったスフィンクスは、普通、供物を捧げる姿勢をとるものであるため、ジェドエフラー王もまた神に捧げる品を差し出していたと思われる。この遺跡では、この他にもスフィンクスがいくつか発見されているが、大方は破損してしまっている。これらは、このルーヴル美術館のスフィンクスの頭部と共に、現在知られている最古のスフィンクス彫像とされている。この頭部には銘文が刻まれていないものの、発見された状況から名前と年代が確定でき、クフ王の息子であり後継者であり、またカフラー王の兄でもあったジェドエフラー王のものと特定されている。

アブ・ラワシュ

ギザ台地の北に位置するアブ・ラワシュは、大ネクロポリスの最北部に当たり、南50Kmにあるダハシュールまで拡がっている。この広大な墓地は古王国時代の首都メンフィスと深い関わりがあった。この遺跡の名前は、石灰質の台地の麓に位置する、近隣の村の名前に由来している。ジェドエフラーはその台地に葬祭複合体を造営させたが、今日ではピラミッドと神殿は侵食されて平地になってしまっている。何世紀にも渡る破壊や略奪によって荒れ果て、建造物および彫像の破片は回収されて、カイロ地方の民間あるいは産業建築物の建造に再利用されてしまっている。1901年から1914年にかけて最初の発掘調査が行われ、フランス人の考古学者による精力的な発掘により、この王墓葬祭複合体の様々な遺物や第1王朝から第4王朝(紀元前3100-2500年)の名士たちの墓が多数発見され、また豊富な副葬品が出土した。1995年から、スイス人とフランス人で構成される考古学者のグループが、アブ・ラワシュの王室墓地と私人墓地で新たな発掘調査に着手している。

出典

- L'Art égyptien au temps des pyramides, Catalogue d'exposition, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1999, n 57.

- ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L'Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, n 14.

- ZIEGLER C., Musée du Louvre. Département des Antiquités Egyptiennes - Les Statues égyptiennes de l'Ancien Empire, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1997, n 1.

作品データ

  • ジェドエフラー王スフィンクスの頭部

    古王国時代、第4王朝、ジェドエフラー(ディドゥフリー)治世下、(紀元前2565-2558年)

    アブ・ラワシュ(アブ・ロアシェ)

  • 彫刻(丸彫り)彩色砂岩

    高さ33.50cm、幅28.80cm、奥行き26.50cm

  • 1907年、発掘の分配分としてエジプト政府から寄贈

    E 12626

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    古王国時代 紀元前2700‐紀元前2200年頃 書記坐像
    展示室22

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する