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作品 スルタン・アル=アディル2世・アブ・バークルの盥

イスラム美術部門 : セルジューク朝・モンゴル帝国・イスラム教徒の地中海世界

スルタン・アル=アディル2世・アブ・バークルの盥

© 2007 Musée du Louvre / Claire Tabbagh

イスラム美術
セルジューク朝・モンゴル帝国・イスラム教徒の地中海世界

執筆:
Collinet Annabelle

この盥は、アイユーブ朝の金工作品を代表する、有名な作品の一つで、イラクの北部にある都市の名、モスルからとった「モスル派」の象嵌金工品である。制作者のモスルのアル=ダキー(アラビア語では、アル=ダキー・アル=マウシリー)は、この工芸の中心地出身の最も偉大な金工家のひとりで、この作品は、これ一点だけで、これらの金工品に結びついた探求と様式面での新しいアイデアを今日に伝えることができるものである。

王侯の材質

アイユーブ朝は、イスラムの金工芸術の絶頂期のひとつである。この材質は、当時、王侯貴族が最も好んだものであった。現在、十五点の作品例に、アイユーブ朝の君主の名が付いている。最も古いものは、スルタン・アル=カミル(1218–1238年)の治世下の貴族の称号が入っている。しかし、そのすぐ後の君主、アル=アディル(1238–1240年)の治世下から、スルタンのために制作された、金工品の数が、もっと多くなるように思われる。このアル=アディルの名の付いた金工品は、三点、残存する。この盥は、確かに、このスルタンの所有物であった。というのは、盥の底に彫込まれた銘文に、これがアル=アディルの倉に属することが、はっきり記されているからである。この種の大きい盥は、水差しと一対をなして、洗面などに使用されていた。

比類なき芸術家

この作品は、アル=ダキーが署名している二つ目の容器である。この芸術家の作品としては、図像学的に豊富であることと、膨大な装飾模様が巧妙に配分されていることから、最も印象的なものである。
装飾は、この容器の部分によって、様々に構成されている。
底は、惑星と黄道十二宮の図像で飾られている。内側の壁面は、主に、狩猟の大きい場面が、アイユーブ朝の金工品でも、他にないユニークな扱いで、表わされている。これらは、非常に自由なタッチの、本当の意味での絵画である。そして、生き生きとした、多様の図像から、この彫金師の高度な手腕が窺える。これらの狩猟の場面の上には、盥を一周する銘文装飾が入っており、スルタン・アル=アディルの名がある。盥の外壁は、全く別の作風で装飾されている。地模様は、T字形の組合せ文様である。その地模様の上に、四葉形が三十個、それぞれ、アクロバットや、踊る猿、架空の動物、狩人など、別個の場面で装飾されている。これらの四葉形は、アラベスクが作るもっと大きい装飾網の中に嵌め込まれている。外壁の中心には、はっきりと分かるように、この芸術家の署名がある。すなわち、「装飾家、アハマド・イブン・ウマール、通称、アル=ダキーの作」と。

作品データ

  • アル=ダキー・アル=マウシリー

    スルタン・アル=アディル2世・アブ・バークルの盥

    1238–1240年

    シリア

  • 銅合金、鎚金、彫込、銀象嵌、線彫

    高さ19cm、直径(口)47.2cm

  • 1905年、フェリックス・ドワストー寄贈

    OA 5991

  • イスラム美術

    リシュリュー翼
    地上階
    エジプト、近東、アナトリア 12‐13世紀
    展示室8

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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