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作品 セプチミムス・セウェルス帝

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

セプチミムス・セウェルス帝

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Lepetoukha C.

巨像の一部を成していたと思われるこの大きな頭部は 、セプチミウス・セウェルス帝を表現したものだ。コモドゥス帝の悪政後の統治として彼は秩序回復を目指した。しかしながらこの作品には、前ユリウス・クラウディウス朝に特徴的であったバロック様式の跡が見られる。それは地方特有の簡略化様式の中で和らげられたバロック様式である。アルジェリアで発見されたこの肖像は、ローマ外の美術、または中央権力に対する地方都市の忠誠を示している。

アフリカ出身の皇帝

この巨大な頭部はセウェルス朝の創設者で、紀元193年から211年にかけて統治したセプチミウス・セウェルス帝である。リビアのレプティス・マグナで生まれ、指揮下の兵士たちにより皇帝に選出されたセプチミウス・セウェルス帝は、オリエントの宗教の信奉者であった。彼の妻ユリア・ドムナはシリアの王女であり、バアル神の神官の娘であった。皇帝はここではギリシア・エジプト神、サラピス神の信者として描かれている。この神は雄牛神アピスがギリシア化したものにあたる。彼は額にかかるコルク抜きの形をした前髪を通してそれを表している。

自然主義の放棄

頭部自体は表現に富んだ形で加工されている。簡略化された輪郭はこの表情を印象深いものとしており、上を見上げた眼球の虹彩は、コモドゥス帝時代よりは和らいだ、バロック様式に基づき加工されている。恍惚な姿は2世紀末から3世紀初頭にかけてのバロック様式の特徴である。彫刻の道具である穿孔機は、機械的でしなやかさに欠ける手法で髪や髭を彫り、滑らかで艶やかな肌の部分と対比している。この対比効果もまた2世紀末の美術の伝承である。この自然主義の放棄は、皇帝を非凡な人間として描く事を目的とする、政治的、宗教的概念に役立っている。

一連の肖像彫刻群

ユリア・ドムナの肖像(MA 1104)とこの頭部は、アルジェリアの旧ヴェレクンダで発見された皇室肖像群に属していた。地方に由来するという事実から、この作品に見られるいささか粗野な要因の説明が付くが、この彫刻群の他の肖像にもそれは様々な度合いで見受けられる。というのもこの一連の作品は、異なる彫刻家により、異なる時期に制作された。そしてこれらの作品の発注者の財産や趣向により、制作はローマ彫刻の伝統に必ずしも精通しているとは限らない彫刻家たちに依頼されたのである。そのことからヴェレクンダの肖像群はそれぞれの質は異なるが、公式肖像と地元伝統の対比をよく表わしている。これらの頭部がそれぞれ、フォルムに設置された巨像にはめ込まれ、ほかの巨像に囲まれていたと想像すべきである。ローマに対する地方都市の忠誠を証明するこの彫刻群は、我々にイタリア半島外でのローマの存在と、その権力の表示の跡を証明している。

出典

- BARATTE F., « Les Portraits impériaux de Markouna et la sculpture officielle dans l’Afrique romaine », in Mélanges de l’École française de Rome, 95, 2, 1983, pp. 785-815.

- KERSAUSON K. (de), Catalogue des portraits romains. II. Portraits d’époque impériale, Paris 1996, n° 164, p. 358.

作品データ

  • セプチミムス・セウェルス帝

    紀元205-211年頃

    ランバエシス付近のマルクナ、旧ヴェレクンダ、アルジェリア

  • 大理石、丸彫

    高さ66cm

  • 1851年レニエ調査隊、1874年エロン・ド・ヴィルフォス調査隊収蔵番号MNB 779(常用番号Ma 1119)

    在位、紀元193-211年

    N° d'entrée MNB 779 (n° usuel Ma 1119)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術:紀元3世紀のローマと属州
    展示室26

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水・金:9時-21時45分(夜間開館)

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