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セベク(ソベク)・ラー神

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Bridonneau Catherine

一塊のブロンズから作られたこのワニは、今にもゆっくりと歩き出しそうな印象を与える。これは、今日エジプトで絶滅してしまった単なるトカゲ亜目をはるかに越えた、セベク・ラー神の姿を表している。太陽神の持物である太陽円盤と鎌首をもたげた聖蛇ウラエウスを頭に戴いている。

沼地の住人

これはナイル川に生息するワニを描いたものである。どっしりした体、閉じられた長い口、大きく開かれた目、持ち上げた頭、先が尖ってわずかに右に曲がった尾を持ったワニは眠ってはいない。目の後ろの小さい線、背と逆立った尾の角質部分を表す端が丸い長方形、わき腹、腹、足の鱗を表す碁盤の目などは、詳細に刻まれている。力強さと貪食で知られていたワニはナイル川やその河畔、灌漑水路、ファイユームにあるような沼地や湖で生息し、大きいもので長さが6m、体重は900kgまで達したといわれている。餌として食べていた魚、蛙、鳥、唯一の敵カバと同様に水郷の景色を構成する一員であった。古王国時代の葬祭礼拝堂の壁画にも見られるように、エジプト人は水辺に近寄ったり家畜の群れと川を渡らなければならなかった時にワニに出会う機会があった。

「手ごわい水界の主」セベク・ラー神

ワニは恐れられていたが(浅瀬を渡る時にはワニを遠ざけるために呪文を唱えまた崇拝もした)、同時にゲブ神や特にセベク神などのいくつかの神と同一視された。セベクはワニの頭と人体を持つこともあれば、この作品のようにワニの姿をしていることもある。特にファイユームとコム・オンボで崇拝された水と豊穣の神で、原初の創造神でもある。プルタルコス(紀元後1世紀)のような古典の著述家たちは、大型爬虫類であるワニが朝水中から出て、昼を岸でほとんど不動な状態で過ごし、夜になると水中に潜る習性を観察していたが、このような生活リズムは太陽の一日の運行を想起させたため、ワニはラー神と同一視されるようになり、復活の象徴になったと説明することができる。

神殿に住んでいたワニたち

ヘロドトス(紀元前5世紀中頃)やストラボン(紀元前30年頃)は、ワニがセベク神の祀られている神殿で飼育され、神官から餌をもらい、時には装身具も付けていたと伝えている。ストラボンはクロコディロポリス(マディーナ・アル=ファイユーム)を訪れた時に、ワニに菓子やワインが与えられていたと記録し、この記録は考古学的発見で証明されている。1999年に、ファイユームのマディーナト=マアディ(メディネト=マアディ)で行われたイタリア人派遣団による発掘で、ワニを抱卵期間から飼育していた施設が、ワニ2神が祀れられたプトレマイオス朝時代の神殿内で発見された。溝の中で砂に覆われていたいくつかの卵が見つかった。

出典

- Coptos, L'Egypte antique aux portes du désert, Lyon, 2000, notice 79.

- La vie au bord du Nil au temps des Pharaons, Calais, 1980, notice 6.

- Les animaux dans l'Egypte ancienne, Lyon, 1977, notice 112.

作品データ

  • セベク(ソベク)・ラー神

    末期王朝時代、前664-前332年

  • 無垢鋳造、銅含有の金属(ブロンズ)

    高さ10㎝、長さ29㎝

  • 1938年に遺贈

    E 22888

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    ナイル川
    展示室3

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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