Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>ソフォクレスの女性像

作品 ソフォクレスの女性像

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

ソフォクレスの女性像

© 2009 Musée du Louvre / Anne Chauvet

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Becq Juliette

その色彩の紛失にもかかわらず、このソフォクレスの女性像は、1870年代初期に発見されたタナグラ人形のなかで最も美しいもののうちの一つである。これらは現在グリマダとよばれる、ボイオティア地方にある古代都市タナグラの領地にて発見された。墓から出土された多様な主題のなかで、現代人を魅了したのはマントに覆われた女性であり、それはタナグラが近代の名声を得る理由となった。古代には、アフロディーテに結び付けられ、宗教的価値を持ったこれらの人物像は、おそらくその女神に与えられていた。

近代の呼び名

タナグラにて発見された人形の中でも傑作品であるこのソフォクレスの女性像は、そのマントの配置、右手と左肘の位置が、悲劇作家のソフォクレス(紀元前496年から406年頃)とみなされる肖像のものと類似する事から名づけられた。執政官リュクルゴスの要求により、紀元前336年から324年の間にアテナイのデュオにソスの劇場に設置された、今日失なわたブロンズ製のオリジナル彫刻は、しばしばアッティカ地方の彫刻家レオカレスに帰属される。しかしながらローマン時代の大理石製複製品によりその作品の面影を知る事ができる。それらのなかで最も保存状態のよいものはヴァチカン美術館に保管してある。衣服の主な折り目はこれら二作品に同じように見られが、その違いは顕著である。それはその均整を決定する曲げられた脚に見られる。この女性像にはヒマティオンの下にキトンが付け加えられ、それは頭部にベールのようにまかれている。そして左側のヒマティオンの垂れ下がりはテラコッタ製の人形では長く蛇行しており、大理石製のソフォクレス像では短く四角い。

大成功を収めた型

このソフォクレスの女性像の原型の制作は、ソフォクレス像の後の、紀元前330年から300年の間に推定される。おそらくアテナイの工房にて制作されたこの原型より、鋳型と複製品が製作されたと推測される。商業を通してこの型は直ぐに、ギリシア世界の全ての工房により一世紀以上にわたり複製され、そして変形された。通称「ソフォクレスの女性像」型の人形は、墓の中だけでなく、黒海に面したクレタ島、キプロス島、カラティス、アミソス、小アジアのレスボス島、ミュリナ、スミルナ、そしてアレキサンドリア、シレネ、シチリア島、イタリアの神殿にて発見された。長く蛇行した折り目の落下をもつルーヴル美術館のソフォクレス女性像は、二つの知られた複製版のうちの一つの型を表している。もう一つの複製版はソフォクレス像の原型により忠実であり、短い折目の垂れ下がりのみ存在する。素晴らしく高品質な造形美をもつこの人形は、おそらく複製品の中でも初期に制作されたとみられる。いずれにせよアッティカ地方の原型よりもより成功をおさめ、より名をはせた、タナグラの芸術家たちの比類の無い巧みな技術を表している。これはおそらく作品の様式とそれを構成する陶土の物理化学的類似点からある作品群に属し、《青い婦人》と同じ工房により制作されたと推測される。

作品の単一性

細部にわたる観察より、この人形を独自のものにした多色装飾の跡が明らかになった。暗い灰色の小板、靴は鮮明な赤色、黄色いキトン、マントはおそらくピンク色と青色の重ね塗りより得た紫色に塗られていた。その肌は、薄いピンク色で、そのまぶたと唇は色付けされていたに違いない。タナグラの墓所は非合法に発掘されたため、埋葬情況は知られず、これらが女性または子供の墓のなかに置かれていたか知る事はできない。この人形は、結婚またはアフロディーテに関連した象徴的価値があったに違いない。

出典

Tanagra, mythe et archéologie, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2003, n 135, p.199 à 203.

作品データ

  • 「青い婦人の工房」に帰属

    ソフォクレスの女性像

    紀元前325から300年頃

    タナグラ(ギリシア)

    タナグラ(ギリシア)

  • オレンジ色がかった赤が混合した淡黄褐色の陶土(焼成の際偶然に起こった変異)、前後分割された鋳型、ピトン型の頭部と体、小さな四角い通気孔、穴の開いた小板、絵の具の跡

    高さ29cm、幅14.2cm、奥行き8cm

  • 1874年レイエ・コレクション購入

    MNB 585

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギリシャのテラコッタ小像 アルカイック時代とクラシック時代
    展示室36

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する