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作品 タムウトネフェレトの葬祭具一式

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

タムウトネフェレトの葬祭具一式

© Musée du Louvre/G. Poncet

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Rigault Patricia

アメン神の歌い手であったタムウトネフェレトは、極めて美しい葬祭具一式の中に埋葬されていた。この葬祭具は、見事に装飾された2つの棺とミイラに被せるための透かし彫りでできた木製の覆いからなっている。2つの棺には、理想化された亡きタムウトネフェレトが、オシリス神のように包帯できつく巻かれた姿で描かれている。各箇所に描かれた神々や精霊たちは、タムウトネフェレトが、死後来世で無事に生き続けられるように呪術を用いて守っている。

昔に取得した作例

極めて美しいこの葬祭具一式は、エジプトでの滞在を終えたジャン=フランソワ・シャンポリオンが、1830年に当美術館にもたらしたものと言われている。シャンポリオンは、ヒエログリフを初めて解読したことで知られる、ルーヴル美術館エジプト美術部門の初の学芸員である。保存状態が完璧なこの葬祭具一式は、ラメセス朝時代初期、とりわけ第19王朝の作品の典型的な特徴を備えている。

タムウトネフェレトの棺

各棺の蓋に描かれたタムウトネフェレトは、ボリュームのある鬘をかぶり、太く編まれて顔の両側に垂れ下がる髪は、金色の細い帯飾りをつけ、優しい表情で微笑みを浮かべた金色の顔を縁どっている。頭部には花の装飾が入ったバンドが巻かれ、見事な首飾りが胸部と交差させた両腕を覆って、金色の両手だけが際立って見える。ウエストの位置には、跪きながら翼を広げて死者を守っている天空の女神ヌウトの優雅な姿が描かれている。脚部には、3行の文章が縦に記され、ミイラを巻く包帯を連想させる何本かの水平線がそれに垂直に交差している。文章には、「家の女主人、アメン神の歌い手、タムウトネフェレト」という死者の名前と称号が記されているほか、死者を永遠に朽ちることの無い星として位置づけるようヌウト女神に切願する簡単な祈りが記されている。このような祈りは当時頻繁に見られたものであった。棺の外側の側面は、縦に記された銘が表面を区切り、枠の中にはトキの頭をしたトト神、犬の頭をしたアヌビス神とともにホルス神の4人の息子である、人間の頭部を持つイムセティ神、山犬の頭を持つドゥアムテフ神、猿の頭を持つハピ神、ハヤブサの頭のケベフセヌエフ神の図像が描かれている。タムウトネフェレトの手、顔、首など、露出した身体の部分には、神の肉体を連想させるように金箔が施されている。

タムウトネフェレトのミイラの覆い

タムウトネフェレトのミイラには、2つの部分からなる木製の覆いが載せられていた。上部のものは上半身全体を覆い、下部のものは腹部と脚を保護するために置かれていた。棺の蓋に描かれている顔は、遺体の顔と一致し、胸の下で腕を交差しているポーズも同じである。ただ、広がった袖の細かい襞が赤い細い線で描かれている。下部の木の透かし彫りは、見事な作例であるといえる。ヌウト女神の図像の下から足まで、銘が記された帯状の縦線が一本中央にのびており、同様に銘が記された帯状の水平線と等間隔に交差している。小さい2つの図像は、トキの頭をしたトト神が、完全なる肉体の象徴であるウジャトの眼を、屍衣に包まれて座っている神に捧げている様子を表わしている。その他の装飾には、タムウトネフェルトが、ホルス神の4人の息子とアヌビス神に向かって拝んでいる様子や、シストラムを鳴らしている様子が描かれている。足の上では、神話でオシリスの死を悲しんだように、イシス女神とネフティス女神が、跪きながらタムウトネフェレトの死を悼んでいる様子が見える。

出典

- PIERRAT G., L'Egypte au Louvre, 1997, p. 19.

作品データ

  • タムウトネフェレトの葬祭具一式

    新王国時代、ラメセス朝時代、第19王朝、前1295-前1186年

  • 木、多彩色、金箔

    N2631:長さ1.92m、奥行き0.59mN2571:長さ1.80m、奥行き0.48mN 2623, N 2620:長さ1.11m、幅0.33m、奥行き0.21m

  • 1830年、シャンポリオン派遣隊による購入

    N 2631

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階

    展示室14

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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