Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>チェルヴェテリの夫妻の棺

作品 チェルヴェテリの夫妻の棺

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : エトルリア美術(前9-前1世紀)

チェルヴェテリの夫妻の棺

© Musée du Louvre, dist. RMN / Philippe Fuzeau

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
エトルリア美術(前9-前1世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

棺、または納骨容器である、この素晴らしい巨大な作品は、アルカイック時代、粘土彫刻にて有名な都市、カエレに由来する。これは小アジアにて誕生した様式に従い、会食者のように寝台に下半身を寝かせ、やさしく体を寄せ合う死者たちを描いたものである。彼らは、葡萄酒を分配する仕草と共に、埋葬儀式の特徴をなす香油を捧げる仕草をしている。

カエレのテラコッタ製彫刻の作品例

夫婦の棺は、1845年カンパーナ侯爵により、古代カエレのチェルヴェテリのバンディタッチャの墓場より発見された。1861年ナポレオン3世により蒐集された、この大型作品は頻繁に、その例外的な大きさより棺のように考えられていた。しかしながらその役割は不確かである。というのもエトルリア世界では、土葬と火葬、両方とも行われていたからである。そのことからこれは、むしろ死者の遺灰を収納するための大きな骨壷のように思われる。前6世紀末、チェルヴェテリの彫刻家たちの粘土彫刻の熟練した技巧をも証明する、唯一知られたこの作品の類似品は、ローマのヴィラ・ジュリア国立博物館に保管されている。アルカイック時代テラコッタは、埋葬記念碑や建築装飾のための、カエレ工房の職人が好んだ素材であった。粘土の柔軟性は、職人にエトルリア南部の地方に見受けられる、彫刻に適した石不足を覆い隠すことができる多くの可能性を提供した。

宴会と埋葬儀式

この骨壷は、死者たちが、会食者のように寝台にのせられた形で表現されている。この主題は、エトルリア人が作り出したものではなく小アジアに由来するものである。エトルリア人はギリシア人のように(彼らよりも先に)横になりながら饗宴を催す習慣と、それを表現する慣習的な方法を東方より受け入れた。宴会は男性に限られているギリシア世界と異なり、社会で重要な役割をもつエトルリアの女性は、夫の横に同じ大きさ、同じような姿勢で表現される。夫婦は、革袋の形をしたクッションに寄りかかり下半身を横にしている。それは、埋葬儀式である葡萄酒の分配を示す。夫にやさしく肩を抱かれた妻は、この近くに置かれた小さな骨壷(蓋の上に夫婦が模られた納骨容器、ルーヴル美術館蔵CP5193)に見られるよう、おそらくアラバストロンに収納された数滴の香油を夫の手に垂らしている。彼女はこれにより、埋葬儀式のもう一つの重要な構成要素である、香油の献上の仕草を成し遂げている。彼女は左手に、不死の象徴でザクロの実と思われる、小さな円い物体を持っている。

ギリシア東部の影響

この大型作品の様式は前6世紀後半、ギリシア東部の芸術家、とりわけ大量に移住したイオニア人が、エトルリア美術に及ぼした影響を語っている。箱と蓋は、今日その一部が失われた鮮やかな多色装飾により浮き立たせられていた。それは女性の装身具の洗練を増加させ、布や髪をより詳しく表現する。笑顔が浮かぶ顔、ふっくらした形の体もまた、イオニア人の作品に着想を受けている。しかしながら、一貫性や脚の加工に顕著に見られる体のボリュームの欠落、死者の仕草の演出などの一部の特徴は、エトルリア美術特有のものである。

出典

Briguet Marie-Françoise, Le Sarcophage des époux de Cerveteri du musée du Louvre, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1988.
Les Étrusques et l'Europe, cat. exp. Galeries nationales du Grand Palais, Paris, 15 septembre-14 décembre 1992, Altes Museum, Berlin, 25 février-31 mai 1993, organisée par la Réunion des musées nationaux, le Ministerio per i beni culturali e ambientali, Italie et les Staalichen Museen zu Berlin-Preussischer Kulturbesitz, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1992, pp. 234-236, 330, 337, 354, 411, 432, n 411, fig. 352-357.

作品データ

  • チェルヴェテリの夫妻の棺

    前520‐510年頃

    高さ1.11m、幅1.94、奥行き0.69m

    チェルヴェテリ(カエレ)、バンディタッチャの墓場、イタリア中部

  • 多彩装飾されたテラコッタ、陶土、型作り、鋳造、泥漿、絵の具

    チェルヴェテリ(カエレ)、エトルリア南部

  • 旧カンパーナ・コレクション、1845年ナポレオン3世蒐集、1861年ルーヴル美術館取得

    Cp 5194

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    エトルリアI 夫婦の棺
    展示室18

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する