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ティイ王妃

© Musée du Louvre/Chr. Décamps

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Lili Aït-Kaci

この若い女性の顔は、ほぼ正面を向いており、上半身はわずかに左に向けられている。貫頭衣を着用し、濃い色のコートを左肩にかけている。真中で二つに分けられた髪は耳を隠し、頭頂には、三つ編みが付けられ、1列に並んだ小さい巻き毛が額を縁取っている。特に唇は輪郭がくっきりと描かれている。顎にえくぼのような小さい窪みが見える。

ティイ

部分的に欠落しているこの記念の彫像は、王家の記章を付けたティイ王妃を表している。長い鬘の一部を覆うハゲワシの剥ぎ皮飾りの上に、法官帽に似た円筒状の被り物を掲げており、その上に長い羽が2枚付いている。ウェストの位置に見える左手には、しなやかな花笏を握っている。かつては、夫のアメンヘテプ3世が横に立っていたが、今日では、アームレットとブレスレットを付けている王の左腕のみが残っている。後ろの背面支持柱には、王と王妃の称号が刻まれた銘が縦に入っている。

神格化された王夫婦

アメンヘテプ3世様式が完璧に表れされているこの作品は、細くすらっと伸びた体の線、低めで小さく丸い胸、極めて細いウエスト、わずかに膨らんだ腹部、腰より太い腿部を特徴とする。さらに極めて若々しい顔は、アメンヘテプ3世の治世下の作品の顕著な特徴の一つで、ティイ王妃の顔にも、ふっくらした丸顔、頭すれすれまで伸びたアーモンド形の大きな目、反り返った鼻、分厚い唇等に、この特徴が現れている。
肩紐が付いた、体にぴったり密着する貫頭衣とそれを覆う羽の装身具は、女神の衣装の一つで、王妃が神界に到達することを示している。王は王崇拝神殿をソレブ(ヌビア)に、またそこから遠くないセデインガには、王妃崇拝神殿を造営させている。石にエマイユを施して作られたこの記念小像は、元々は神格化された王夫婦を表していた。

この作品の裏話

1826年に、シャンポリオンがルーヴル美術館のために購入したソールト・コレクションの4000点の作品の中に、このティイ王妃彫像の下半身が含まれていた。しかし1830年の7月革命の際に、この彫像は盗難にあい、幸いなことに数ヶ月後に見つかりルーヴルに返還され、元置かれていた古代エジプト展示室に戻された。
1962年になって、この下半身とぴったりかみ合う上半身が偶然にも美術品市場に現れ、ルーヴル友の会が取得し、当美術館に寄贈した。今日、この王妃像の横にあったはずのアメンヘテプ3世の小像が見つかる可能性も無いとは限らず、アメンヘテプ3世が偉大な王妃の元に戻れる日がいつか到来するのではないかと思われる。

出典

- Les Pharaons, Venise, 2002, notice 193.

- ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L'Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, notice 51.

- Aménophis III, Le pharaon soleil,  Paris, 1993.
 
- Mémoires d'Egypte, Bibliothèque nationale, Paris, 1990, notice H 11.

- Naissance de l'Ecriture, catalogue d'exposition, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1982, notice 213.

- Vingt ans d'acquisitions au musée du Louvre, 1947, 1967, 1967, Paris, 1967, notice 103.

作品データ

  • ティイ王妃

    新王国時代、第18王朝、アメンヘテプ3世治世下(前1391-前1353年)

    アンティノポリス出土、1904-1905年にA.ガイエが発掘

  • エマイユを施した凍石

    高さ29cm、幅12cm

  • N 23121826年にソールト・コレクションから購入E 254931962年にルーヴル友の会から寄贈

    N 2312, E 25493

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    新王国時代:再征服からアメンヘテプ3世まで 紀元前1550‐紀元前1353年頃
    展示室24

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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