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作品 ディプティカの翼:勝利の皇帝

工芸品部門 : 初期中世

ディプティカの翼:勝利の皇帝

© 1986 RMN / Pierre et Maurice Chuzeville

工芸品
初期中世

執筆:
Bardoz Marie-Cécile

バルベリーニの象牙板は、17世紀初めにクロード・ファブリ・ド・ペレスクからバルベリーニ枢機卿へ贈られた。裏面に蛮族の支配者とプロヴァンス地方の有力者の一覧が記載されているところを見ると、7世紀にはすでに同地方にあったはずである。皇帝のディプティカ〔二連板〕のほぼ完全な翼としては現存唯一の作品である。中央には、アナスタシウス帝(在位491-518年)か、あるいはむしろユスティニアヌス帝(在位527-565年)の勝利が表現されており、上部にはキリストの称揚が表されている。

バルベリーニの象牙板:ほぼ完全な皇帝のディプティカ

この象牙板は、皇帝のディプティカのほぼ完全な翼としては現在残る唯一の作品である。各翼は5つの部分を組み合わせて構成されていた。今日、他のパネルと同じく中央パネルに接合していた右パネルだけが欠けている。ほぞ接ぎの手法を用いることで、このような大型の翼が実現可能になった。
翼の裏面には、7世紀アウストラシア王国の有力者名の一覧がある。この象牙板は当時プロヴァンスに保管されており、17世紀にはエクス・アン・プロヴァンスの碩学クロード・ファブリ・ド・ペレスクの手元にあったことがわかっている。ディプティカの呼び名は、ペレスクがこれを贈った相手バルベリーニ枢機卿に由来する。

勝利の図

ディプティカの中央には、馬上の皇帝の勝利が高浮き彫りで表現される。その右には、現在は失われたものの、かつては勝利の擬人像が十字架を彫った球の上に置かれ、皇帝に冠を差しのべていた。馬上の人物が右手にもつ槍は地面に突き刺さり、髭の人物(衣装や帽子からするとペルシャ人またはスキタイ人)を押しとどめている。大地の象徴である女性像が馬の蹄の下に座り、服従の印として皇帝の右足を握っている。翼の上部には祝福を与えるキリストの胸像が、有翼の勝利の擬人像に囲まれている。左では兵士が、月桂樹の冠を手にした有翼の勝利の擬人像を馬上の人物に渡そうとしている。下部では、征服された民が征服者に貢物を納めに来ている。ビザンティン皇帝の勝利の図と絶大な権力が、場面全体に際立っているわけである。

ユスティニアヌス帝か、コンスタンティヌス帝か、アナスタシウス帝か。

ここに表現された皇帝は、コンスタンティヌス帝(在位324-340年)の肖像に似てはいるが、むしろユスティニアヌス帝(在位527-565年)だと思われる。後者の方が、浮彫りの様式から想定される時代に一致するからである。皇后アリアドネ(515年死去)の2番目の夫アナスタシウス帝(在位491-518年)の肖像だと考える者もいる。ウィーンとフィレンツェ(バルジェッロ美術館)にある皇后の象牙像2点が、やはりアリアドネの肖像と同定されており、バルベリーニの象牙板の中央部分、とくにほとんど丸彫りといってよい彫刻部分に明らかな類似が認められる。しかし、様式上の特徴はかなり異なり、これらの象牙作品を完全に関連づけることはできない。ルーヴル美術館の翼はこれよりやや後代の作だと思われる。本作品には、ラヴェンナにある〔マクシミアヌスの〕司教座の浮彫りとの類似が見られ、また540年の執政官ユスティヌスのディプティカ(ユスティニアヌス帝とキリストと皇后テオドラのメダイヨンを並べたもの)にもあるように、祝福するキリストの図像とビザンティン皇帝像の組み合わせが認められる。こうした点を考慮すると、バルベリーニの象牙板は、6世紀第2四半期に活動していたコンスタンティノポリスの工房の作と考えられる。つまり、532年にペルシャ軍と和平を結んだユスティニアヌス帝の勝利の肖像だということになる。

出典

- GABORIT-CHOPIN Danielle, Byzance, Paris, musée du Louvre, 3 novembre 1992-1er février 1993, Editions de la Réunion des musées nationaux, notice 20.

- GABORIT-CHOPIN Danielle, Les ivoires médiévaux, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 2003, n 9.

作品データ

  • ディプティカの翼:勝利の皇帝

    6世紀前半

    コンスタンティノポリス

  • 象牙、象嵌の痕跡

    高さ34.20cm、幅26.80cm、厚さ2.80cm

  • クロード・ファブリ・ド・ペレスク・コレクション、バルベリーニ・コレクション旧在。1899年収蔵、1938年1月古代ギリシャ・古代エトルリア・古代ローマ部門より寄託

    別称《バルベリーニの象牙板》

    OA 9063

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    シャルルマーニュ
    展示室1

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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