Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>トゥトアンクアメン王の財務大臣マヤのキュービット(物差し)

作品 トゥトアンクアメン王の財務大臣マヤのキュービット(物差し)

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

トゥトアンクアメン王の財務大臣マヤのキュービット(物差し)

© 2010 Musée du Louvre / Christian Décamps

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Geneviève Pierrat-Bonnefois

収穫を記録したり、氾濫の度に土地台帳の標石が倒れ、農地の測量が毎年繰り返される事によってエジプトの官僚制の土台が作り上げられていった。測量の単位はキュービットと呼ばれ、約52.5cmあった。ここでは、トゥトアンクアメン王(ツタンカーメン)とホルエムヘブ王の財務大臣であったマヤの名を刻んだ、極めて保存状態の良好なキュービットの物差しが展示されている。

極めて詳細に彫られた物差し

硬質な木で作られたこの物差しは、1面が斜めに切り取とられ、長方形の5側面を持つ細い棒で出来ている。斜めに切り取られた面には、最も貴重な表示が刻まれている。左端には、一本の指の幅に相当する1デジット(ここでは1.86cm)、4本の指を揃えた長さに相当するパーム(ここでは7.47cm)、右には、7パームに相当するロイヤル・キュービット(ここでは52.3cm)、6パームあるスモール・キュービットの目盛が付いている。それ以外の目盛はあまりよく知られていない寸法である。この面の下、垂直な面の右側には、15デジットをさらに1/2から1/16に分けた目盛が刻まれ、各目盛の上に分数がきちっと表示されている。
一方、物差しの上面には、28デジットごとに神々の名が刻まれており、右端に描かれたラー神で始まっている。

献辞

物差しの下面に刻まれたヒエログリフの銘文では、マヤが、名の知られていない神殿の神官たちに向って、神の供物を分けてもらえる祈りを唱えるように奨励している。
「王の右にいる団扇持ち、王の書記、二国の王の財務大臣、マヤは言う。おお、神に忠実な神官たちよ、この神殿の朗唱神官たちよ、あなたがたの住んでいる都市の神々は、あなたがたの祈りを聞き入れてくださるだろう。王の右にいる団扇持ち、二国の王のお傍にお仕えし、王のお傍を一時も離れず従った私のために、ご主人様の恩恵を授かる者がするように、私の名を唱えながら祈ってくれれば、あなたがたには素晴らしい老後、また冥界では神官として豊かな生活が約束されるだろう。」
この物差しは長期間使用されたように見えるが、ステラ(石碑)や彫像のように、マヤが永遠なる生命を授かるようにと奉納した品であった。これ以外に、高官が奉献品として神殿に納めた石製の物差しが存在しており、また王から贈呈された金色の物差しも建築家カーの墓から発見されている。

財務大臣、土木工事の長マヤ

キュービットの物差しは建築の道具でもあった。重要な役職を兼ねていたマヤは幾度も土木工事の長に任命され、王家の谷のトトメス4世王墓の壁に、自筆と思われる線刻で、王の命令でこの墓を修復したと書き残している。トゥトアンクアメン王の側近でもあったため、王墓で見つかった品の中に彼の名前を刻んだ品がいくつか出土している。マヤの墓は、1843年にリチャード・レプシウスが訪れた後に忘れ去られたが、1986年に、イギリスとオランダの考古学者グループによって再発見されている。オランダのレイデン美術館には、妻のメリトを従えたマヤの等身大の彫像が収蔵されている。

出典

Egypt’s Golden Age. The Art of living in  the New Kingdom, catalogue de l’exposition, Boston, 1982, p.  59.

作品データ

  • トゥトアンクアメン王の財務大臣マヤのキュービット(物差し)

    新王国時代、第18王朝、トゥトアンクアメン治世下(前1336-前1327年)

  • 木に彫刻、刻み彫り

    幅52.3cm、高さ2.45cm

  • 1827年にドロヴェッティ・コレクションから購入

    N 1538

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    写本と写字生
    展示室6

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する