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作品 ドゥドゥの貫通孔のある浮彫

古代オリエント美術部門 : メソポタミア

ドゥドゥの貫通孔のある浮彫

© 2007 RMN / Franck Raux

古代オリエント美術
メソポタミア

執筆:
Iselin Claire

彫刻または浮彫装飾を施され中央に貫通孔がある額は、特に初期王朝時代第3期(紀元前2800-2340年)にメソポタミアの多くの遺跡に普及していたが、シリアとイランの遺跡にはほとんどそれが見られない。ドゥドゥの貫通孔のある額はこの伝統に属しており、ドゥドゥはエンメテナ神殿におけるニンギルス神の大神官であり、ラガシュの王(2450年頃)である。しかし、この額は天然アスファルトを素材にするなどいくつかの点で異彩を放っている。 

ドゥドゥ、ニンギルスの祭祀

中央に孔が開いた浮彫は、不均衡な4つの部分に分かれている。上下2段を占める人物は、長い棒のようなものに寄りかかりながら、右方へ誘導している。この人物は山羊の皮または長い房で動物の毛に似せた布地でできたスカート、カウナケスをはいている。彼の名前は彼のそばに刻まれている。それは絵文字の記号で音節「ドゥ」が繰り返し書かれていてドゥドゥである。彼はエンメテナ神殿のニンギルス神の大神官でラガシュの王(紀元前2450年頃)であった。
ニンギルス神のシンボルでありラガシュの紋章である2頭の獅子を爪でつかむ頭部が獅子の姿をした鷲は、ドゥドゥの左に刻まれており、テローの他の貫通孔のある額のみならず、他にもメシリムの棍棒頭や、またはラガシュの王エンメテナの銀製壺のような支持材の上にもこのシンボルが見られる。しかしながら、神官ドゥドゥの貫通孔のある額では、ふだんは平然としている2頭の獅子は、頭が獅子の鷲の羽根をかみつくかのように立ち上がっている。その下方では、エンメテナの壺に描かれている牡牛と同じ姿勢で横たわる子牛の姿が窺える。下段では、組み紐飾りが施されており、ある研修者によると、おそらく流水の象徴であるらしい。
図像の方向は、判じ物または表意文字の続きとして読み取ることができるだろう。神官は象徴で表現されたものを神に捧げており、動物の生贄(いけにえ)と流水献水などはおそらく供儀(くぎ)の供え物の表現であろう。上部では、イメージで空いた枠内に限定された奉納碑文が、動物の身体に入り込んで広がっている「エニンヌのニンギルスのために、ウル+Aのニンギルスの神官ドゥドゥは(この素材を)もって来させ、そして棍棒頭の支持材としてそれを作った。」

貫通孔のある奉納額

ドゥドゥの奉納額は初期王朝時代第2期と第3期(紀元前2800-2340年)を通し普及していた貫通孔のある額の部類の属しており、メソポタミアの多数の遺跡(特にディヤラ川流域、稀にシリア(マリ)やイラン(スーサ))でそれを再び見いだす。同種の120数枚の存在が知られており、そのうち50枚余りが宗教的建造物から出土している。これは奉納額または奉納板であり、たいていの場合には4角形で中央部に貫通孔が開けられており、彫刻や浮彫の場面で飾られている。奉納額は概して石灰岩製または石膏製であるが、ドゥドゥの奉納額は天然アスファスト製であるので、異例の図像であるとみなされている。
これらの額の正確な役割は知られておらず、中央にある貫通孔の用途は謎のままである。ドゥドゥの浮彫に存在する碑文から、これが先ず棍棒頭を支える額であるという解釈がなされているが、あまり妥当ではないようである。ある研修者によると、壁に掲げるための浮彫であると分析されており、中央の孔から木製または金属製の大きな釘を通し壁面に打ち込むためのものとされている。他にも、扉の開閉の固定装置とする見方がある。
一連の貫通孔のある額は概して水平に平行した仕切りが幾段にも重ねて飾られている。その主題は、饗宴図(特にディヤラ川流域地方)、建物の建造《ウル・ナンシェの貫通孔のある浮彫》、祭儀の場面《豊饒の女神へ献酒が描かれた貫通孔のある浮彫》など、種々の儀式が描かれている。その図像がしばしば画一化されていることから、おそらくそれがメソポタミアの全領域にわたって分布した共通の文化を表していたこと、また総てを含む明確な意味をもっていたことを意味している。

出典

- ANDRE B, Naissance de l'écriture : cunéiformes et hiéroglyphes, catalogue d'exposition, Exposition du Grand Palais, 7 mai au 9 août 1982, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1982, p. 85, notice n 42.

- CONTENAU G., Manuel d'archéologie orientale, Picard, Paris, 1927, p. 487, fig. 357.

- HEUZEY L., Les Antiquités chaldéennes, Librairie des Imprimeries Réunies, Paris, 1902, n 12.

- ORTHMANN W., Der Alte Orient, Berlin, Propylaën (14), 1975, pl. 88.

- SARZEC É., Découvertes en Chaldée, Leroux, Paris, 1884-1912, pp. 204-209.

- THUREAU-DANGIN, Les inscriptions de Sumer et d'Akkad, Leroux, Paris, 1905, p. 59.

作品データ

  • ドゥドゥの貫通孔のある浮彫

    初期王朝時代第3期(前2450年頃)

    イラク、メソポタミア、テロー、旧ギルス

  • 天然アスファルト製の貫通孔のある浮彫

    高さ25cm、幅22cm、奥行き8cm

  • 1900-1877年、É・ド・サレゼク発掘

    AO 2354

  • 古代オリエント美術

    リシュリュー翼
    1階
    古代メソポタミア:起源から紀元前3千年紀まで
    展示室1a

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