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作品 ネクタネボ2世を守護するハヤブサ像

古代エジプト美術部門 : ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1069-前30年)

ネクタネボ2世を守護するハヤブサ像

© Musée du Louvre/C. Larrieu

古代エジプト美術
ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1069-前30年)

執筆:
Guichard Sylvie

石灰岩に実物大で彫り上げられたこのハヤブサ像は、重量感と威厳に溢れ、見る者に力強い印象を与えている。ハヤブサの大きな爪を出した両脚の間に、隠れるように描かれている縮小された王の姿が、この印象をさらに強くしている。ハヤブサはその大きな体で王を支配すると同時に守護している。3000年もの間、王朝の守護神ホルスがエジプトのファラオたちに与え続けた守護を完璧に表現している彫像である。

守護神

ハヤブサは古代エジプトの空を飛び交う馴染み深い鳥であった。第1王朝からすでに神格化され、ホルス神を表す図像として王の守護神かつ象徴となり、権威ある役割を享受していた。北エジプトと南エジプトの二重冠を戴いたこのハヤブサは、凹凸装飾が施された城壁を形作る長方形の上に乗っており、そこには5大王号の最初の名前であるホルスの名が記されている。しかし、ハヤブサの姿を取る神はホルス神だけではなく、最も広く知られている神々の中では他に、メンチュウ神(モントゥ神)、ラー神、そしてミイラ姿のハヤブサで表されるソカル(ソカリス)神が挙げられる。この彫像の頭上には枘穴(ほぞあな)があることから、ハヤブサ神は、現在は消失してしまっている「二重王冠」を戴いていたと考えられる。また眼の周囲が深く彫られていることから、象嵌細工が施されていたことが分かる。
ハヤブサの脚の間に身を寄せて守られている王は、ネメス頭巾を被り、両腕を伸ばして腿に付ける伝統的な崇拝の姿勢を取っている。エジプト彫像には、豊かな想像力が発揮されて聖獣が人物に加護を与えているテーマがよく用いられている。これらの彫像の中で最も魅力的と言えるのは書記像であろう。文字の守護神トトを象徴する猿が、書記の肩に乗って書記の頭を両手で守っている像もある。

無名の王

この彫像がはめ込まれることになっていた台座には、この王の身元を示す何らかの銘文が彫られていたと思われるが、彫像自体には何の銘文も記されていない。おそらくプトレマイオス王朝が台頭する前の、エジプト最後の独立王朝であった第30王朝の王、ネクタネボ2世ではないかと推測されている。第30王朝時代には、ハヤブサの両脚の間に立つファラオの図像の作品群が数多く見られ、年代が分かっているものにはネクタネボ2世のカルトゥーシュが彫られていることに気が付くだろう。これらの作品群の中で最も注目に値するものとして、ニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されている彫像を挙げることができる。この彫像は、ネクタネボ2世の名前を用いた謎文字を構成している。ハヤブサ「ホル」の下に身を寄せている王の小像は、片手に「ナクト」と読む力を象徴する記号である新月刀を握り、もう一方の手には、「ヘブ」と読む王位更新祭を表す記号を握っている。

新しい解釈

ネクタネボ2世の彫像の献辞の研究では、ホルスの名が刻まれていないことと、当時の神官の称号の分析がとりわけ強調されているが、この研究から、これらの彫像はエジプト王に加護を与える守護神ホルスを表しているという解釈を覆す新しい解釈が生まれた。様々な彫像に表された威厳あるハヤブサは、ホルス神を表しているのではなく、ハヤブサの姿で神格化された王自身を表しているのだという説である。聖なるハヤブサとして、ネクタネボ2世は生前からエジプトのいくつかの神殿で崇拝されていたのではないかと推測されている。第30王朝時代のエジプトが繁栄していたおかげで、これらの神殿に大規模な修復工事を行うことができた。

出典

- BENEDITE, Monuments Piot tome XVII, 1909, p.5-28, fig. 1-3, pl. I.

- YOYOTTE, "Nectanebo II comme faucon divin ?", in Kêmi, XV, 1959, p. 70-74.

- Coptos, L’Egypte antique aux portes du désert , catalogue d'exposition, Lyon, 2000.

作品データ

  • ネクタネボ2世を守護するハヤブサ像

    第30王朝、ネクタネボ2世治世下(前358-341年)

  • 石灰岩

    高さ50cm、幅18.2cm、奥行き46.2cm

  • 1908年、購入

    E 11152

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    最後のファラオからクレオパトラまで 紀元前404‐紀元前30年:ネクタネボ、アレクサンドロス大王、プトレマイオス朝
    展示室30

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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