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作品 ハープ奏者の飾板

古代オリエント美術部門 : メソポタミア

ハープ奏者の飾板

© 2007 RMN / Franck Raux

古代オリエント美術
メソポタミア

執筆:
Demange Françoise

メソポタミアでは、石は金属と同じように珍しくまた高価な資材であったが、それとは反対に粘土は豊富で簡単に入手できた。粘土は捏ねられ多数の実用品を作るのに用いられたと同時に、人物像や動物像を作るのにも用いられた。3千年紀末に初々しさと力強さに満ちた大衆芸術の存在を証拠づける型押しされた粘土製の小浮彫が現われ、中でもハープ奏者の飾板は、最も洗練されたひとつの例である。

大衆芸術

3千年紀末に単殻の押し型の出現により、メソポタミアのほとんどの考古学遺跡で大多数発見された型押し粘土製の小浮彫の製造を可能にした。
それはおそらく神殿に付随した工房がこれらの小さな飾板を安価で作っていたに違いなく、今日の「宗教画」に匹敵するであろう。信者はそれらを奉献物として神殿に安置するかあるいは自宅へ持ち帰るために入手した。彼らはそこで家の祭壇に安置したに違いない。飾板は同様に死者に添えるために墓に安置されたかも知れない。
これらの浮彫は、非常に初々しいまた時には純朴さでもって最も多様な主題を再現されており、例えば神々、献上品を運ぶ者、全裸の女性や豊饒の儀式に関連した組み合った形で表わされる夫婦、動物、大道芸人、あるいはここのような楽師などがある。それらは公の信仰よりも、人々に一番身近な民間信仰と日常茶飯事への関心の反映である。

音楽の重要性

音楽は、メソポタミアにおいて社会的また宗教的に重要な役割があった。なぜなら、それが宗教的と同様に非宗教的なすべての公の祭儀の節々でアクセントをつけて演奏していたからである。饗宴の会食に来た人々を魅了したり、日常のさまざまな崇拝儀式に伴う聖歌の拍子をとったり、あるいはまた讃歌や哀歌の朗唱を引き立たせた。楽師らは、宮廷の僕の一員か神殿の聖職者に属していた専門家であった。
いくつかの楔形文字の粘土板では、音楽技術に関する詳しい情報を提供しているが、これまでに、極わずかな数の楽器にしか至っていない。従って、描かれた図像は特に貴重なものである。

ハープとハープ奏者

ひだのある長い衣装をまとった楽師は、小舟の形をした共鳴箱を左腕の下に固定し、弓形竪琴を奏でている。彼は左手で響かせてはいけない絃をしっかり押さえながら、右手に握る撥(ばち)で楽器の絃を全部ひとまとめにして一気に強いタッチで弾いている。
この竪琴は、おそらく3千年紀末のウル第3王朝の王シュルギが弾いていた「マグル」であると考えられる。実際マグルという言葉は、この楽器の共鳴箱を連想させる形の舟のことを意味している。
2千年紀初期になると、さまざまなタイプのハープの増加を確認する。最も古く有名な楽器のひとつである口弓に直接由来する弓竪琴とは別に、絃が固定される縦材と共鳴箱が直角に交わる通称角度のあると呼ばれる竪琴が出現した。この楽器は、水平かまたは垂直にもつことができる。この新しいタイプは、アッシリアとイランに伝えられ、そしてトルコでは、さらに入念に作り上げられた形で、まさに17世紀以降まで生き続けていくのである。
これらのハープの音色に関しては、鈍くてまた奥深い近代竪琴よりずっと低音であったに違いないだろうという極めて漠然とした見解がある。


出典

- DUCHESNE-GUILLEMIN M., "La harpe en Asie occidentale ancienne", Revue d'Assyriologie, n°34,1937, pp.29-41.

- BARRELET M-T., Figurines et reliefs en terre cuite de la Mésopotamie antique, Paris, 1968.

- SPYCKET A., "La musique instrumentale mésopotamienne"  in Journal des Savants, Juill.-Sept. 1972, pp.153-209.
- SPYCKET A., "La musique du Proche-Orient ancien", La Musique dans l'Antiquité, in Les Dossiers de l'archéologie, n°142, Nov. 1989, pp.33-39.

作品データ

  • ハープ奏者の飾板

    前2千年紀初頭

    エシュヌンナ(メソポタミア)

  • 焼成型押し粘土

    縦8.4cm、横8.9cm

  • 1930年購入

    AO 12454, AO 12457, AO 12453

  • 古代オリエント美術

    リシュリュー翼
    1階
    メソポタミア:紀元前1千年紀‐紀元前2千年紀
    展示室3

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

解説の作品:AO 12454