Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>パネジェム1世の首飾り

パネジェム1世の首飾り

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Rigault Patricia

この豪華な金の首飾りは、卓越した質と豊かな独創性を兼ね備えている宝飾品である。首飾りは、二個ずつ溶接された平たい環からなる三連の鎖と、パネジェム1世の名が二匹の蜂の間に刻まれている、ラピスラズリの象嵌細工でできた長方形のペンダントから構成されている。内側と外側の鎖とペンダントの下には、上品な小さな花で装飾された短い鎖がさげられている。当時の金銀細工の絶妙な技術を表している宝飾品である。

洗練された技術

鎖には正方形の小片が等間隔で組み込まれ、三連の鎖の間の空間を保っている。本来この小片には、ペンダントと同様に、ラピスラズリが嵌め込まれていたと推測される。ペンダントの中にはパネジェム1世の即位名カーケペルラーが、北エジプトを象徴する蜂二匹の間に見えている。表側にはエジプト人に好まれたクロワゾネの技術が駆使され、金属板に金の仕切りを内側で溶接し、その中にラピスラズリが嵌められている。クロワゾネの技術は、古王国時代からすでに存在しておりエジプト金銀細工の技術の中でも最も頻繁に使われたものである。金は、たいていの場合、半貴石である紅玉髄、トルコ石、ラピスラズリと組み合わされ、これより安価で同様な色の効果が得られるエジプトファイアンスもよく用いられた。裏面には表面と同様な装飾が簡素に打ち出しで施されている。花の下げ飾りは、同時代の他の宝飾品にもよく見られるモチーフであるが、この威厳にあふれる宝飾品に独創性豊かで繊細なタッチを与えている。

伝統と改新

この時代の見事な金製宝飾品は、主にタニスの王墓から出土しているが、メンフィスや稀にテーベ地域から出ることもある。このペンダントに似たモチーフや技術が駆使されている物もいくつか出土しており、前時代の手本から着想を得ていることがはっきりと分かる。例えば、このペンダントは、コーニス(建造物の上部に付いている突き出た部分)が上部につけられた小礼拝堂の形を想起させるが、これは中王国時代に現れたクロワゾネの胸飾りからそのまま着想を得ており、花形の下げ飾りは、新王国時代のエジプトファイアンスの装飾から取り入れたものである。鎖と花の下げ飾りの多用、そしてきわめて繊細な金銀細工の技術は、この時代の特徴を完璧に表している。

アメン神の偉大なる神官かつ王であったパネジェム1世

第21王朝の最初の王スメンデスは、国を治めるために北エジプトで政権の座についたがそれに対して南では、アメン神の偉大な神官を務める強力な家系が進出していた。ラメセス王朝最後の王、ラメセス11世の娘婿であった大神官パネジェムは、上エジプトで高い地位を占め王室の称号を得るまでに勢力を伸ばし、パネジェムの息子の一人が、スメンデス王の後をプセンネス1世の名で継いだ。

出典

- ZIEGLER C., Les Trésors de Tanis, 2001, p. 108.

- DELANGE, Petits guides des grands musées, Les bijoux de l'Antiquité égyptienne, 1990, p. 17.

作品データ

  • パネジェム1世の首飾り

    第3中間期(前1096-前664年)

  • 金 打ち出し、象嵌細工、クロワゾネ

    長さ60cm

  • 1956年に購入

    E 25412

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    装い:装身具、衣服、体の手入れ
    展示室9

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する