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ブルゴーニュ公の家令フィリップ・ポー(1428-1493年)の墓

© 2010 Musée du Louvre / Raphaël Chipault

彫刻
中世のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

ブルゴーニュ公の家令フィリップ・ポーの墓は、モニュメンタルで表現性に富み、見る者に強い印象を与える。黒いマントをまとった泣き男たちのどっしりした像は、墓碑の重さに身をかがめながら重い足取りで進んでいくように見え、想像力をかきたてる。これは葬儀をまざまざと思い起こさせると同時に、有力者を讃えるものでもある。この一族の系譜は紋章によって示されている。

特別な人物

ブルゴーニュ公の家令で金羊毛騎士団の騎士だったフィリップ・ポーは、自分の名づけ親であるブルゴーニュ公フィリップ3世善良公、次いでその子息シャルル勇胆公に仕えた。その後フランス国王ルイ11世に仕えると、王はポーを侍従として遇し、ブルゴーニュの総督と呼び、そして聖ミカエル騎士団の騎士にした。ポーは続くシャルル8世からも寵を得た。
当時の習慣に従い、ポーは生前に墓を注文したと思われる。横臥像が載る石板側面に刻まれた長い墓碑銘は、おそらくそれが事実だったことを物語る。墓碑銘は(ラテン語ではなく)フランス語の散文で書かれており、シャルル勇胆公の死後(1477年)、ルイ11世の死(1483年)より前に作成されている。シャルル勇胆公の死には触れているが、シャルル8世には言及がないからである。この墓碑銘は、家令ポーの政治的権威を強調し讃えるものである。

心を打つ葬送行列

頭巾をかぶった黒い大きな人物像を評して、美術史家エミール・マールは「この世のものとは思われない」と述べており、実際これらは我々の心を打つ。泣き男つまり葬儀の参列者は、ふつう死者の親族を表現している。彼らは僧服によく似た、頭巾のついた大きな黒いマントの喪服を着ている。この主題は15世紀初めに、シャンモル修道院に建立されたフィリップ2世豪胆公の墓(ディジョン美術館所蔵)において、クラウス・スリューテルの手で見事に表現された。この作品が、葬礼美術における泣き男の流行の端緒となった。
フィリップ・ポーの墓は、同じ主題を驚くほど大胆に刷新している。泣き男は等身大で、墓碑を運ぶ役割を担っている。ずんぐりした人物たちは、家令が載せられた石板の重さに身をかがめており、葬送行列がゆっくりと進んでいく様子を想わせる。
荘厳で宗教色の薄いこうした演出は、有力者を讃えるものである。横臥像は騎士の姿で表現されている。鎧の上に紋章で飾られた陣羽織を着て、面頬を上げた鉄兜を被っている。足元には象徴的な動物、おそらくライオンがいる。フィリップ・ポーの家系は、泣き男がもつ楯形紋章によって誇らしげに称揚される。彫刻にポリクロミー〔多色彩色〕をほどこして飾られた紋章は、家令の8つの領地を表している。円卓の騎士パロミデス卿の紋章も認められる。

作者不明

本作品は長い間、アントワーヌ・ル・モワテュリエの作とされていた。アヴィニョン出身の職人で、1465年にディジョンへ落ち着き、同地でジャン無畏公の墓を、その子息フィリップ善良公の注文を受けて仕上げている。ル・モワテュリエは15世紀末のブルゴーニュで中心的な工房を率いた後、1495年にディジョンを離れてパリへ移った。
そのため、この人物を作者とする説は覆される。実際、作品の構想は大胆でも、仕上がりの質はあまりぱっとせず、彫刻家ミシェル・コロンブに「最高の聖像彫刻家」と評されたル・モワテュリエの作品に似つかわしくない。

出典

- MÂLE  Émile, L’art religieux de la fin du Moyen age, Paris, 1925, pp. 419-420.

- AUBERT Michel  et BEAULIEU Michèle, Description raisonnée des sculptures du Musée du Louvre, tome 1 Moyen Age, Paris, 1950, pp. 241-245.

- BARON Françoise (dir.), Sculpture française, I, Moyen Age, Paris, 1996.

作品データ

  • ブルゴーニュ-15世紀第4四半期

    ブルゴーニュ公の家令フィリップ・ポー(1428-1493年)の墓

    1477-1483年の間

    シトー修道院(コート・ドール県)サン・ジャン・バティスト礼拝堂に由来

  • 石灰岩にポリクロミー〔多色彩色〕

    高さ1.81m、幅2.60m、奥行き1.67m

  • 1889年1月12日の法令により収蔵

    R.F. 795

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    フィリップ・ポー
    展示室10

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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