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ブーシェの壁布

© 2009 Musée du Louvre / Martine Beck-Coppola

工芸品
18世紀:ロココ

執筆:
de Ribou Marie-Hélène

このタピスリーは4点からなる連作の一部である。1755年から1770年まで、王立ゴブラン織製作所の美術部長であったフランソワ・ブーシェは、壁にかかった絵を真似て、中央の場面の下絵を制作した。深紅色の地の周み部分の下絵は、モーリス・ジャックの作品である。2人の画家の協働により数々の壁布が生み出されたが、それらは製作所の作品のなかでもたいへんな人気があった。

絵とダマスク織をとりまぜたタピスリー

このタピスリーは、にせものの布地の囲み部分の上にかけられた絵を表現している。この囲み部分は深紅のダマスク織を模倣しており、背景から、金鍍金の木枠のような装飾の、細い枠組みで隔てられた下地の上に、花と動物とともに施されている。全体が、自然な描写で描かれた葉飾りと花飾りに飾られている。このダマスク織の中央には、まるで一枚の絵が、上の周縁に2本の青い紐でかけられているように見える。その場面は、プシュケが眠るアモルに片手をかざして明かりを当てているところで、もう一方では、彼を短刀で刺そうとしているところである。その左手には、子供の姿をしたアモルが彼女の行為を止めている。

卓越したタピスリー装飾

このタピスリーは4枚からなる一連の作品の一部で、ブルボン公爵夫人(1750-1822年)のアルコーヴ(閨房)を冬の間飾っていた。それぞれが神や女神のいる場面を表わしており、そのことから、時にこのタピスリー群は《アモルの壁布》と呼ばれることもある。他のタピスリーはウェルトゥムスとポモナ、水上のヴィーナス、そしてアウローラとケファロスが描かれている。この壁布には、寝台、肘掛け椅子が12脚、ベルジェール椅子が2脚、スクリーンが1台、屏風1枚のための覆い布が伴っており、そのすべてがゴブラン織のタピスリーでできていた。この、冬用の寝室の装飾品としての一連の品は、当時の人々を引きつけ、ティエリーまたはデュロール・ドゥザリエ・ダルジャンヴィルが書いた、パリの描写の中にもその反響が見られる。1770年に、コンデ公の息子、ルイ=アンリ=ジョゼフ・ド・ブルボンは従兄弟のルイーズ=マリー=テレーズ・ドルレアンと結婚する。コンデ公は、ラッセー邸に改装させたばかりのパレードの間を、義理の娘に譲る。この装飾品、そして特に冬の装飾品から、その部屋の豪華さや、女性的な要素をうかがわせる。この一連の装飾品は1793年、革命時の競売の際に散在してしまった。国有調度品保管所から分与された4枚のタピスリーには、同じ部屋に飾られていた、下地と、寝台の天蓋が伴っていた可能性がある。

装飾品としてのタピスリー

壁に掛けるタピスリーは18世紀初頭から、シャルル・コワペル、ブラン・ド・フォントネ、クロード・オードランの絵を基にして制作されたドン・キホーテ物語の壁布とともに生じた。その手法は、ブーシェとジャックの協働により完成される。歴史や神話主題のフレスコ画よりも、18世紀の人々は、より軽い主題、またはより装飾的に扱われた主題を好んだ。ブーシェのあでやかな構図に、ジャックの洗練された背景を合わせて制作されたこれらのタピスリーは、18世紀のゴブラン製作所の作品のなかでも、最も完成度が高く、最も目覚しいものとされている。しかし、絵画や、他の装飾技法の模倣を追及するなかで、これらの作品には、だまし絵としての要素にいささか縛られてしまうきらいがある。
これらすべての点において、この色味の鮮やかさを保ったタピスリーは、18世紀における彼らの制作を見事に象徴する作品である。

出典

MAGNY Françoise, Le Faubourg Saint-Germain. Palais Bourbon, sa place, Paris, Editions de la Délégation artistique de la ville de Paris, 1987 (particulièrement les pages 35-36 et 52-57)

VERLET Pierre, "Tapisseries et fond de lit de la Chambre Rose au Palais Bourbon", in Revue des Arts, n 4, 1953, p. 244

作品データ

  • フランソワ・ブーシェ(メダイヨンの下絵)モーリス・ジャック(周辺部分の下絵)

    ブーシェの壁布

    1770-1776年

    ブルボン宮

    パリ、ゴブラン製作所

  • 横機のタピスリー、毛、絹

    縦4.25m、横3.80m

  • 1901年国有調度品保管所より分与

    《アモルとプシュケ》

    OA 5118, OA 5119, OA 5120, OA 5121

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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