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作品 プリーツを施した亜麻の貫頭衣

古代エジプト美術部門 : 日常生活の品々

プリーツを施した亜麻の貫頭衣

© Musée du Louvre / G. Poncet

古代エジプト美術
日常生活の品々

執筆:
David Elisabeth

エジプトの墓で、布製品は潤沢に発見される。しかし、無傷で残っている衣装はまれである。また、たとえ、良好な状態で発見されても、そのままの状態を維持することは、さらに難しい。この展示品は、長袖で体にぴったりフィットするタイプの貫頭衣で、他でもよく見られる衣装ではあるが、元々あった水平のプリーツが服全体に残っており、保存状態が良いまれな作例である。おそらく、紀元前2000年頃、生前、着用されたものが包みのように丸く巻かれて墓に入れられたものと思われる。

丹念に作られた衣装

この長い衣装は、3枚の亜麻布をつなぎ合わせて作られたものである。一枚目は腕から下の身体を覆っていて、左わきが縦に粗い縫目でゆるく縫われている。正面と背部にVネックのラインが入いるように、上身頃及び袖は二枚の布からできている。さらに、下半身部分とは切り替え布で繋がっている。大変細身の衣装なので、体、手首、踝に密着していたはずである。プリーツの作り方については正確なことは分かっていない。手で作ったのかもしれないし、あるいは、いくつかの美術館で収蔵されている、多数の畝がついた用途不明の板を用いて作られたのかもしれない。いずれにしろ、プリーツは布を濡らしてから作られたものである。今日知られている、水平のプリーツがついた長袖の「T形」衣装は全て、四つ折にされたあとプリーツが折られていた。19世紀末期以降、少なくとも15着の同タイプの衣装が発掘されている。

謎の所有者

13番の墓は、アシュート墓所全体がそうであるように、共同墳墓で、そこには無名の棺が4体納められていた。うち一体については、白骨状態のミイラが丸められた布をつめて固定され、納められていた。その布の幾つかは、水平にプリーツが入っている貫頭衣(うち一着のみが無傷で残っていた)だった。棺の蓋の上には武器がいくつか置かれていたが、これは遺体が男性であったことを証明するには不十分で、発掘責任者たちの話によると、その他の長袖の「T形」衣装は、全て女性の墳墓から出土しているとのことだった。これらの貫頭衣の制作年代は第5王朝から第11王朝(紀元前2500年から紀元前2000年)までの間とされている。水平にプリーツが入った貫頭衣の作例は多く存在するものの、この作例のようにプリーツがついた衣装が描かれた絵画は一つしか存在しない。しかも、その絵には袖はついていないようだ。衣装が描写されている作品は、エジプトには数え切れないほど多く存在するが、エジプト学者にとっては、まさにそれが悩みの種である。墓から見つかる衣装は、同時代に制作された浮彫や絵画や彫像に描かれているものと異なっているからだ。何故違うかは謎である。

エジプト:布の文明

布はエジプト文明においてきわめて重要な位置を占めている。当時の織り子、織り師、洗濯屋に関しては詳細な情報を得ており、料金までも分かっている。布は、衣服を作るためだけではなく、物々交換や、給料、税金の支払いにも使われた。また、ミイラを作るためにも利用された。布はまた、来世で死者が肉体的な安らぎと、物質的に快適な生活を送るためにも必要だと考えられていた。
古王国時代以来、多種多様の布が大量に、葬祭の供物リストに記せられてきた。また墳墓内には、驚異的な量の長方形の布切れ、腰衣、寛衣、肩掛け、スカーフなどが山積されていたようだ。中王国時代の名士、ウアハの墳墓に収納されていた布の面積は845平方メートルにのぼると言われており、そのうち375平方メートルは、死者のミイラに使われていた。

出典

- Un siècle de fouilles françaises, 1880-1980, catalogue de l'exposition, Editions de la Réunions des musées nationaux, Paris, 1981, p. 135.

- ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L'Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 84-85, notice 30.

作品データ

  • プリーツを施した亜麻の貫頭衣

    前2033-前1710年

    アシュート、墓所、13号墳墓から出土

  • 亜麻

    高さ1.21m、幅0.57m

  • 1903年、発掘の分配分としてエジプト政府から寄贈

    E 12026

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    装い:装身具、衣服、体の手入れ
    展示室9

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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