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作品 ヘラクレス

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

ヘラクレス

© 2004 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

ギリシアの英雄ヘラクレスは、左手にはヘスビデスの園の黄金のりんごを持ち、もう一方には棍棒を持っていたと思われる、十二の功業を元に表現されている。その小ささにもかかわらず、例外的に中空洞で制作された小像は、リュシッポスの同時代の作品に着想を得ている。その長細い均整、表情の加工、動きのある姿勢より、この人物は特にデルポイのテッサリア人の奉納品の一部の人物像を思い浮かばせる。

加工技術の特徴

このブロンズ製の小像は、高さ27cmの小作品には例外的な制作方法である、蝋型鋳造のたいへん希少な例を提示している。というのもこの製造法は、基本的に大型ブロンズ像に限られていたからである。トラキア地方のロドピ山脈にて19世紀に発見されたこの作品は、クラシック時代とヘレニズム時代の転換期である紀元前4世紀後半に制作された。

ヘスピデスの園のヘラクレス

ヘラクレスは、彼のいとこ、エウリュステウス王から命じられた十二の功業を元に表現されている。全裸で、通常身にまとっているネメアのライオンの皮を持たず、右手にはおそらく今日失われた懇望を装備していた様子で描かれている。左手にはヘスピデスの園で獲得した三つの黄金のりんごを差し出している。その不思議なりんごの木は、ヘラ神から命を受けた西方のニンフにより見張られている。伝説によると、自らこの貴重なりんごを採取してはならないと、プロネテウスより知らされていたこの英雄は、天を肩に背負った巨人アトラスに、彼が変わりにその仕事を請け負う間、エウリュステウスが要求した果実を取りに行くよう提案した。

リュシッポス作品の面影

この小像は、複製品ではないものの、同時代のいくつかの典型に着想を得た様に見える。この人物の細長い体の輪郭、故意に縮小された頭の大きさは、ギリシアの彫刻家、ブロンズ鋳金師シキュオンのリュシッポスの作品の影響を明確に現している。紀元前5世紀、この彫刻家は、同時代のポリュクレイトスの七頭身よりも細長い均整、八頭身のカノンを生み出した。人物像の均整、動きのある姿勢もまた、人間の体を三次元の空間の中に同化させるリュシッポスの研究に直系する作品に同等である。顔の人相、筋肉のたくましい肉付きは、このブロンズ小像をデルポイのテッサリア人の奉納品の一部の人物像、そのなかでも特に、この彫刻家が制作したブロンズ像と同時代の大理石の複製であるアギアス像に類似させる。この種の彫像は、ヘレニズム時代、ローマ帝政時代の間、多少なりの正確さを伴い何度も再生産された。ルーヴル美術館は特に、ヘレニズム時代と紀元2世紀にスミルナにて生産された、鋳造テラコッタ製とアギアス型(CA 317,CA 717)との二点のリュシッポスの小型頭部を保管している。

出典

Charbonneaux J., Les Bronzes grecs, Paris, 1958, p. 96, pl. 24.
Rolley Cl., Les Bronzes grecs, Fribourg, 1983, pp. 156-157 et p. 238, n 277.
Thomas R., Griechische bronzestatuetten, Darmstadt, 1992, p. 111.
Polyklet : Der Bildhauer der griechischen Klassik : Ausstellung im Liebieghaus, Francfort, 1990, p. 749, n 380, pl. 471.

作品データ

  • ヘラクレス

    紀元前4世紀後半

    ロドピ山脈、トラキア、ギリシア

    ギリシア

  • ブロンズ製小像、鋳造、線刻

    高さ:26,8cm

  • 1877年購入

    Br 487

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ブロンズの間
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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