Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>ベス神の形をした壺

作品 ベス神の形をした壺

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

ベス神の形をした壺

© 1998 Musée du Louvre / Georges Poncet

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Geneviève Pierrat-Bonnefois

このベス神の像は、淡い緑色の上質なファイアンスからできた壺である。様々な色の象嵌細工が施されていることから、この作品が貴重な品であったことが分かる。実用品としてではなく、飾り物として使われていたようだ。質において卓越した作例で、末期王朝時代のファイアンスの見事な技術を物語っている。

グノーム(醜い小人)の座像

ベス神は脚を曲げ地に屈んでいる。突き出た腹はほぼ正方形の形をした台座の面積をほとんど占めている。拳を握った両手を膝の上に乗せ、その拳にはかつて金属製の蛇を二匹握っていたが、破損して今では消失している。普段着用する衣装はヒョウの毛皮で、垂れ下がった乳房にかかっているのが見える。太った腹部は唯一ベルトによって飾られている。
頭部は異常に大きい。動物の鬣の房、上品な渦巻状にとかされた髭、しわで縮んだ額、図案化されたライオンのような耳は、細く詳細に彫られている。口から出した舌には、赤い石の象嵌細工が施され、消失した目は、黒いガラス(おそらく黒曜岩と思われる)の嵌め込みで縁取られていた。このことからも高価な品であることが分かる。

ベス神

ベス神は異型な神で、エジプトの他の神々のように優雅な姿をしていない。ほとんどの神は理想的な人間や動物の姿で表されているが、この神はグノーム(醜い小人)で表されている。中王国時代の呪術品の装飾として、本来ベスはすらっとした体格で常に正面を向き、踊り子のように脚を曲げて立ち、地まで届く長い尾を垂らし、ライオンの耳を持った姿で表されていた。しかしその後、新王国時代になって布袋腹で、大きい頭のしかめ面になり、美しい髭やしばしば羽でできた奇妙なかぶりものをつけるようになって最終的な形に至った。この神を祀る特別な神殿はないが、家具調度品の飾り物として使われ、有毒な動物だけでなくその他の全ての危険から守ってくれると信じられ、身繕品の上によく置かれていた。ベス神は、ファラオ文明末期には地中海東部で大いに普及した。

贅沢な壺

その風貌、あるいはその体格が威圧感を与えるこの彫像は、実は壺をなしている。平らで厚めの縁はギリシアのアリュバロスから着想を得たのだろう。光沢のある淡い緑色の上質なケイ酸質のファイアンスでできおり、細部が繊細に彫られ、末期王朝時代の第26王朝から現れたエジプトの伝統的製法に則って作られている。しかしながら、顔のしわの入れ方や耳の作り方から、それより後期のアケメネス朝時代のものとも推測される。ペルシア人は二度にわたって、エジプトに侵入し、広大な帝国を築き上げた。当時の高級品芸術はギリシア、オリエント、エジプトから着想を得ていたが、この作品に関しては、エジプト特有の製造法や保存方法が伺え、かの地で作られたものと推測される。

作品データ

  • ベス神の形をした壺

    末期王朝時代、前664-前332年

  • ケイ酸質ファイアンス

    高さ17.50cm、幅11.50cm

  • 1901年に購入

    E 10929

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    神々と魔術
    展示室18

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する