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ベリー公ジャン・ド・フランスの墓の装飾《2人の泣き男》

© Musée du Louvre/P. Philibert

彫刻
中世のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

この頭巾をかぶった泣き男は、フランス国王シャルル5世とブルゴーニュ公フィリップ豪胆公の兄弟であるベリー公のために、ブールジュに建立された墓の基部を飾っていた。この小像は表情豊かで生き生きとしており、15世紀に葬礼美術が、ブルゴーニュ美術の影響を受けてよりのびのびとして雄弁な彫刻をめざして発展したことを物語っている。

文芸保護に貢献した君主の墓

美術館所蔵)を、ランブール兄弟に注文したことで知られる。1404年ベリー公は、自分の墓所をブールジュの宮殿内にあるサント・シャペルに建立することを決めた。墓は、大理石板の上の横臥像と、基部を飾る小アーケード下の40人の泣き男からなる。作業期間は2期に渡った。
第1期は公の生前に始まり、アンドレ・ボーヌヴーと共同で作業にあたったジャン・ド・カンブレーが指揮した。作業は公の死(1416年)によって中断されたようである。ジャン・ド・カンブレーは横臥像(ブールジュ大聖堂)と、大理石の泣き男5体を制作した。これらの像は墓の基部に貼り付けるように、背中側が平らになっている。量感の表現が簡素で、衣襞はまっすぐに落ち、仕草の控えめな点に特徴がある。
作業は1450年以降、ベリー公の甥の息子にあたるフランス国王シャルル7世の命で再開され、エティエンヌ・ボビエとポール・モセルマンに委ねられた。2人は建築を模した装飾を作り、泣き男の列を完成させた。技法と素材から、第2期の部分は簡単に見分けがつく。小像は石目のあるアラバスター製の丸彫りで、精神性も大きく異なる。ルーヴル美術館が所蔵する泣き男2体も、ここに含まれる。

ブルゴーニュの葬礼美術の影響

泣き男をともなう墓は、早くも13世紀末に現れた。死者の親族を表すこの小像は、葬送行列の折にかぶる頭巾のついた、大きな喪服のマントにすっぽりと身を包んでいる。しかしこの種の記念建造物は、15世紀に飛躍的な発展を遂げる。ブルゴーニュ美術が大きな成功を収めた影響であり、その例としては、クラウス・スリューテルによってシャンモル修道院に作られた《フィリップ2世豪胆公の墓》(デイジョン美術館所蔵)が挙げられる。これは丸彫りによるもので、見事な存在感のある泣き男が行進していくように見える。ブールジュで第2期に制作された泣き男群は、この表現力に富んだ規模の大きな作品に着想を得ている。

生き生きとした小像

これらの小像は、生き生きと変化に富んだ姿勢をとり(1人はぐいっと顔を後ろに背け、もう1人は読書に専心している)、表情は豊かで、しなやかな衣襞をそなえており、ジャン・ド・カンブレーによる不動の小像とは異なる。彫刻家の妙技は、素材を深く穿ち陰影の効果をあげる中で際立っている。人物像に生気を与えるよう、頭巾の量感の扱いが工夫されている。衣服は幾重にも折り返して動きをだしてある。1人の泣き男においては、過剰なまでの襞が強い不安を伝える。留め金やミサ典書の念入りに細工された小口など、彫刻家は細部を表現することに熱中している。
ルーヴルの泣き男は見事な出来ばえである。しかし第2期の泣き男(35体)のうち発見された21体は、それぞれがかなり異なり、質も均一ではない。

出典

- MÂLE Émile,  L'art religieux de la fin du Moyen Age, Paris, 1925, pp. 419-420.

- PRADEL Pierre, "Nouveaux documents sur le tombeau de Jean de Berry", Monuments et mémoires, Fondation Eugène Piot, tome 49, Paris, 1957, pp. 141-157.

- BESSARD Bella, "Three Berry mourners", The Metropolitan Museum Journal, 1968, volume 1, pp. 171-176.

- Les Pleurants dans l'art du Moyen Age en Europe, catalogue de l'exposition, Musée des Beaux-Arts,  Dijon, 1971.

- Chefs-d'oeuvre de l'art du Moyen Age, catalogue de l' exposition, Bratislava, Prague, 1978-1979, n 99 et 100.

- Les Fastes du gothique : le siècle de Charles V, catalogue de l'exposition, Grand Palais, Paris, 1981-1982, n 111.

- La Sculpture d'Europe occidentale des XV-XVIe siècles dans les musées d'Union Soviétique, Saint-Pétersbourg, 1988, n 66.

- Tesoros medievales del museo del Louvre, catalogue de l'exposition, Museo del Palacio de Bellas Artes, Mexico, 1993, n 69.

作品データ

  • エティエンヌ・ボビエ、ポール・モセルマン-知られている活動期間:1441年からルーアンで死去する1467年まで

    ベリー公ジャン・ド・フランスの墓の装飾《2人の泣き男》

    1450年以降

    ブールジュのベリー公宮殿サント・シャペルに建立された墓;1756年ブールジュ大聖堂に移転され、その際に破損;1793年10月5日フランス革命で解体、一部取り壊し。

  • アラバスター、金鍍金の痕跡(R.F.2736)

    高さ39cm、幅14cm、奥行き12cm

  • R.F.2736:1953年7月10日の法令により収蔵R.F.3004:1972年1月26日の法令により収蔵

    R.F. 2736

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    ジャン・ド・リエージュ
    展示室9

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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