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作品 ベリー公爵夫人の 化粧台と肘掛け椅子

工芸品部門 : 19世紀

ベリー公爵夫人の 化粧台と肘掛け椅子

© 1999 Musée du Louvre / Etienne Revault

工芸品
19世紀

執筆:
Catherine Voiriot

この化粧台は、おそらくパレ・ロワイヤルの商店「クリスタルの階段で」に由来し、国王シャルル10世の息子の妻ベリー公爵夫人のものだったと思われる。本作品は技法の上でも美的見地からも非常に革新的な品であり、金めっきしたブロンズの金具に嵌め込まれたクリスタルガラスだけで構成される。楕円形の両面鏡が化粧台の上に配され、これは両側の大燭台を支柱にして傾けることができる。この大燭台からは3本の腕が伸び、支柱にはフローラとゼフュロスの像が絡みついている。こうしたクリスタルガラスの家具はほとんど現存しない。

ベリー公爵夫人(1798‐1870年)の 化粧台

シャルル10世の息子の妻ベリー公爵夫人は、ほぼ間違いなく、この化粧台と肘掛け椅子を1822年に最初に手に入れた人物である。彼女は本当の意味で文芸の庇護者を務めた、王家で唯ひとりの人である。この家具は王政復古政府が倒れた後、1836年にベリー公爵夫人によって売却された。この家具は前衛的な作品である。ブナ材でできた椅子の座の枠を除き、木材は一切使用されていない。すべてがクリスタルのカットガラスでできた小板と円筒で構成されているからである。肘掛け椅子の背もたれは、芥子の花を挿した竪琴の形をしている。化粧台は、鉄の骨組みにダイヤモンド・ポイントにカットされた、あるいは縦溝彫や丸襞装飾を施したクリスタルガラスで構成され、上には貝のモチーフ2つで飾られた回転鏡が置かれる。この鏡は両側の大燭台を支柱にして傾けることができ、またこの大燭台からは3本の腕が伸び、支柱にはフローラとゼフュロスの像が絡みついている。化粧台のテーブルは、青地に金装飾の入った 一枚板のガラスである。2本の脚はそれぞれ長方形の台にのった3つの部分、すなわちイルカの頭がついたリュトン2点と、上部に2つのバラ模様がついた中央の小柱1本からなる。横材がリボンで結ばれた大きな2つの弧を描いている。この化粧台はダヴィッドの弟子ニコラ=アンリ・ジャコブ(1782年?‐1871年)の図案による。

19世紀のクリスタルガラス細工

王政復古期、クリスタルガラスのカット技術は、サン・ルイ製作所やバカラ製作所、クルゾー製作所 など様々な製作所の貢献によって大きく進歩した。クリスタル製品はしばしば、デザルノー夫人のような「嵌め込み工」に委ねられた。この人物は、クリスタルガラスで家具を作るという大胆なことをした最初の人である。クリスタルガラスはベルギーのヴォネシュ製作所所長エメ=ガブリエル・ダルティグより納入されており、1816年以降はバカラ製作所からも納入された。デザルノー=シャルパンティエ夫人は、それをパレ・ロワイヤルの彼女のアトリエでカットさせ組立てさせていた。
この化粧台と肘掛け椅子は、おそらくこの有名な商店「クリスタルの階段で」に由来する。同店は1802年に創立され、1828年までデザルノー=シャルパンティエ夫人がパレロワイヤルで経営していた。1819年には、デザルノー夫人は国王、ベリー公爵と王室調度品保管所より認可を受けた御用達商人の称号を保持していた。ルーヴル宮で開催された1819年の産業博覧会に、夫人はこの化粧台を出品し、金メダルを獲得したようである。

作者とされるデザルノー夫人

作者をデザルノー夫人とする根拠は、1819年の受賞作品を描いたJ.B.アルヌールのリトグラフにあり、そこにはこのルーヴル美術館所蔵の化粧台と椅子にきわめて近い作品が認められる。また、他に似た作品は知られていない。もしこれが、確かにデザルノー夫人の作品であれば、この一揃いは「クリスタルの階段で」の顧客だったベリー公爵夫人のものに相違ない。事実、1822年の会計記録には、ベリー公爵夫人のためにロニー城(現在、同城は取り壊された)へクリスタルガラスの家具3点を納めた形跡が認められる。そして1836年の公爵夫人の財産競売カタログにも、大きなクリスタルガラスの化粧台と古代風肘掛け椅子が記載されている。

出典

- Daniel ALCOUFFE, Anne DION-TENENBAUM, Amaury LEFEBURE, Le Mobilier du Musée du Louvre, t.1, 1993, p. 320-321.

- Daniel ALCOUFFE, La Coiffeuse de la Duchesse de Berry, dans cat. expo. Patrimoine verrier en namurois, 1997, 140-146.

- Anne DION-TENENBAUM, Louvre. Les Objets d’Art. Le XIXe siècle. Guide du visiteur, 1999, p. 33-35.

- Jannic DURAND, Le Louvre. Les Objets d’art, 1995, p. 119.

- La Toilette de l’Escalier de cristal, dans La Revue du Louvre et des musées de France, 1989-5/6, p. 364-365.

- Musée du Louvre. Nouvelles acquisitions du département des Objets d’art 1985-1989, 1990, p. 222-226, n°109.

- Un âge d’or des arts décoratifs 1814-1848, cat. expo, Paris, 1991, p. 129-130.

作品データ

  • ニコラ=アンリ・ジャコブ

    ベリー公爵夫人の 化粧台と肘掛け椅子

    1819年頃

    ロニー・シュル・セーヌ城

    パリ

  • クリスタルガラス、金装飾入りガラス、金めっきしたブロンズ

    化粧台:高さ78.5cm、幅1.225m、奥行き64.3cm肘掛け椅子:高さ90.8cm、幅64cm、奥行き56cm鏡:高さ92.7cm

  • 1989年、モーリス・セグラ氏の協力を得て、クロード・オット氏より寄贈

    OA 11229, OA 11230

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    クロード・オット
    展示室77

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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