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作品 ホルス神の彫像

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

ホルス神の彫像

© 2008 Musée du Louvre / Georges Poncet

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Aït-Kaci Lili

このホルス神のブロンズ製彫像は、かつては高価な素材に覆われていた。腐敗することのない神の肉体を想い起させるように、金の上塗り、あるいは金の化粧張りが施されていた。また、色の付いたガラスやエジプトファイアンスの象嵌細工が駆使され、このような多様な装飾によって、蝋型鋳造で作られた各部分のつなぎ目が隠されていた。銘文は無いものの、技術や様式からこの作品が第3中間期のものであることが分かる。

王の清めの儀式

ハヤブサの頭と人間の体を併せ持ったホルス神を表しているこの彫像は、三人の人物を表現した彫像の一部であったと推測される。おそらくホルス神とトト神が王を囲み、清めの儀式を行っているところが表されていたのだろう。ホルス神は、前方に挙げた両手の中に、今は消失してしまったが、聖水が入った器を持っていたと思われる。
即位祝典の際、王が神々の神殿に入る前に行われるこの儀式に永遠性を与えるために、この場面をあらわした浮彫の壁画や、石や金属で作られた彫像が神殿に置かれていた。

技術とマティエール

この彫像は、蝋型鋳造で出来あがった各部分を組み立てて作ったものである。粘土でできた中子は取り出され、中は空洞になっている。眼窩、鬘の房、腰衣のひだには、かつては、パート・ド・ヴェール(ガラスの練り物)や色がついたエジプトファイアンスの象嵌細工が施されていた。金属の表面が顆粒状になっていることから、肌が露出している部分には、神の朽ちない肉体を想起させる金の上塗りが施されていたのではないかと推測されている。
先王朝時代以降から、エジプト職人はまず銅を、そして後にはブロンズを使って、家庭用品をはじめ武器、宝飾品や彫像を作っていたが、その技術が最高の水準に達したのは、第3中間期になってからである。信者たちは、奉献物を作らせて神に捧げるようになり、神殿専用の工房ではおびただしい数の小像が作られるようになった。立派な作品には蝋型鋳造法が最も多く用いられ、それに対して一連の小さな人物像には、無垢鋳造が好まれた。

カノン(プロポーションの規定)に基づいた体

ホルス神の造形は、第3中間期の典型的なカノンに基づいている。体の線は力強く、すらっと伸びており、長めの上半身に胸部が比較的高めにつけられ、ウェストは細く作られている。筋肉が丹念に形付けられた長い両脚でしっかり立って安定感がある。
この時代、エジプトのブロンズ鋳造師はあらゆる鋳造技術に熟達しており、このホルスの彫像は、その技術において最も価値のある作例の一つであると言える。

出典

- ZIEGLER, BOVOT, L'Egypte ancienne, Paris, 2001, p. 260.

- ZIEGLER, in  Revue du Louvre, 1996, p. 34.

- MANNICHE, L'art égyptien, 1994, p. 275.

作品データ

  • ホルス神の彫像

    第3中間期、前1069-前664年

  • 銅含有金属、蝋型鋳

    高さ95.5cm、奥行き39cm

  • 1883年に購入

    E 7703

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    素材と技法 芸術家と職人
    展示室7

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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