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ボルドー公爵の洗礼式の水差し

© 2001 RMN / Hervé Lewandowski

工芸品
19世紀

執筆:
Muriel Barbier

フランス王位の継承者であるボルドー公爵アンリ・ダルトワ(1820‐1883年)は、パリのノートル・ダム大聖堂で1821年5月1日に洗礼を受けた。この折に金めっきした銀の洗礼具が制作され、その中にこの水差しも含まれる。この水差しは、ボルドー公爵の母ベリー公爵夫人が高く評価していた金銀細工師ジャック=アンリ・フォーコニエ(1779‐1839年)の作である。古典的な装飾レパートリーに比べると自由闊達な表現を新たに実現している。

ボルドー公爵の洗礼式

父親のベリー公爵亡き後、1820年に誕生したボルドー公爵は、奇跡の子とみなされており、1821年5月1日にパリのノートル・ダム大聖堂で洗礼を受けた。この儀式のため、大聖堂は祝祭用に装飾された。この装飾は建築家ヒトルフとルコワントに委ねられた。彼らが正面と内装に施した装飾は、ネオ・ゴシック様式による装飾の最初期の例に数えられる。身廊中央の主祭壇には洗礼具が置かれ、金の天使が載った4本の円柱で囲まれた。洗礼具に含まれる水差しは、フランス国立図書館版画室に収蔵される版画のおかげで知られている。

きわめて古典的な装飾モチーフ

これは、洗礼式で子供の頭に水をかけるための水差しの形をしている。きわめて簡素な形に、18世紀後半から金銀細工に取り入れられた、古代ギリシア・ローマに着想を得た装飾モチーフが施されている。脚は、艶消しの地に1列の水葉を巡らせたものである。脚上部にはもう1列の葉文様がある。脚と腹の境目には捩れた輪が置かれ、3分の1の高さには、交互に並んだ2種類の棕櫚の葉の間に花束とイグサの束があしらわれている。腹上部は研磨され、跪いた女性とその後ろに掲げられた百合の花の旗を表す浅浮彫が前面に飾られている。女性は子供を洗礼盤の上に差し出し、一方教会の擬人像が洗礼の水をかけている。肩部分にはアカンサス葉とハート形玉縁が施され、装飾を仕上げている。

独創性

この古典的なレパートリーに、フォーコニエはより自由な装飾をいくつか加えた。すらりとした首が支える注ぎ口は、どちらかといえばロカイユ式を用いたホラ貝の形をしている。この形は、浅浮彫の中で洗礼盤を示すために選ばれた形である。取っ手自体もロカイユの金銀細工を想起させる。これは穏やかな様子をした天使が、貝を支えている姿を象ったものである。この天使が水を注いでいるように見える。この像は、フォーコニエの師である金銀細工師オディオの作品《ローマ王の揺りかごの上の勝利》を思わせる。きわめて古典的な装飾モチーフを取り入れながらも、フォーコニエはより独創的なモチーフを用いてこの作品に個性を与える術を心得ていた。この作品は1823年の産業博覧会に出品されていたが、最近になって発見されるまで行方不明だった。

出典

- HUSSONNOIS C., Au département des Objets d’art du Louvre, l’aiguière du baptême du duc de Bordeaux par J.-H. Fauconnier (1799-1839), Revue du Louvre et des musées de France, 5, 2002, p 64-67.

作品データ

  • ジャック=アンリ・フォーコニエ

    ボルドー公爵の洗礼式の水差し

    1821年

    ボルドー公爵

    パリ

  • 金めっきした銀

    高さ26.80cm、幅16.80cm、奥行き9.80cm

  • 2001年、取得

    OA 11962

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    クロード・オット
    展示室77

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

脚に銘文: CETTE AIGUIERE A ETE FAITE PAR FAUCONNIER ORFEVRE DE LL. AA. RR. POUR LA CEREMONIE DU BAPTEME DE S.A.R. MGR LE DUC DE BORDEAU 1er MAI 1821 (この水差しは、王太子殿下ボルドー公爵の洗礼式のために、王家御用達金銀細工師フォーコニエによって制作された。1821年5月1日)