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作品 マアト女神を捧げる王の小像

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

マアト女神を捧げる王の小像

© Musée du Louvre/Chr. Décamps

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Christophe Barbotin

この小像は、王が神にマアト女神を捧げているところを表し、エジプト王が果たすべき任務全てを要約した重要な行為を象徴している。腕を極めて高く上げていることから、かつては前方に傾斜した面に差し込まれていたことが分るが、何に取り付けられていたかは特定されていない。長い間、セティ1世の小像とされていたが、今日では、より信憑性のある第21王朝の小像と特定されている。

王権に帰属する行為

この小像は、王がマアト女神を奉献している様子を表している。この人物がファラオであることは、小さい円模様を散らしたキャロット帽(椀形のかぶりもの)を被り、その正面に王の記章であるコブラが付いていることから識別できる。頭に羽を掲げて座っている女神は、エジプト人にとってきっても切れない二つの観念、真実と正義を象徴している。王はどんな代価を払ってでもエジプトの秩序を確立させ維持しなければならず、それが神々に対する王の任務であった。神々は、その返礼として、エジプト人を代表する王に、生、長寿、健康などをもたらすと信じられていた。マアト女神を捧げる行為は、エジプト王の最も重要な任務を要約した王に帰属する行為を表している。

謎に包まれた信仰対象物の一部

左腕が不自然に上に挙げられていることから、この小像が、かつては前方に傾斜した面に差し込まれていたことが分かる。一番最初に行われた分析から、聖船の船首に付けられていたのではないかと推測されていた。聖船を描いた多数の作品から、各神殿に置かれていた豪華に装飾された聖船には王の彫像が付けられ、神像が安置されていたことが知られている。しかし、この小像のように有名な「マアトを捧げる王像」を船に乗せている様子を描いた作品はいまだに確認されていないようだ。従ってこの小像の役割やこの小像が何に備え付けられていたのかは正確には分かっていない。

謎の王

王の身元に関しても、ベルトの留め金に彫られた名が今日では判読不可能な状態のため、特定されていない。王冠が、セティ1世がしばしば誇らしげに戴いていたタイプであったことやその素材(セティ1世が銀製の小像を神に差し出している場面が描かれた神殿の浮彫がいくつか存在する)から、初めはセティ1世の彫像とされていた。しかし、前述の王冠は、第21王朝の初代の「神官王」であった、ヘリホル王及びパネジェム王が終始一貫して戴いた王冠なので、統計学的に言えばこの年代の方が真実に近いと推測される。また、この王のふっくらした頬や太った顔だちもこの仮説を裏付ける要素となっている。

作品データ

  • マアト女神を捧げる王の小像

    第21王朝

    出所不明

  • 無垢鋳造、腕は付け加えられたもの、足の下に固定するほぞが備えられている銀、部分的に金めっき

    高さ19.50cm

  • 1989年、ガネイ寄贈

    E 27431

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    紀元前千年紀から最初のペルシャ征服まで 紀元前1069‐紀元前404年頃:第3中間期 サイス王朝時代 最初のペルシャ征服
    展示室29

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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