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作品 マルケルスの全身像

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

マルケルスの全身像

© 1996 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

ニコラ・プッサンを仲介し、ルイ14世が収集したこの全身像は、オクタウィアヌス・アウグストゥスの甥で、娘婿でもある、前23年に若くして死去したマルケルスの死後の肖像である。彼は前5世紀のギリシア古典主義を明らかに引用した形に沿って、雄弁家ヘルメスの姿で表されている。ヘルメスの象徴でヴィーナスの印でもある亀には、アテナイの彫刻家クレオメネスのサインが刻まれている。

作品の近代史

この全身像は、17世紀には教皇シクストゥス5世の庭に、次にローマのモンタルト=ネグローニの邸宅に置かれていた。ゲルマニクスを表わしたものとされていたこの作品は、1685年ニコラ・プッサンを通してルイ14世が獲得した。作品はフランス人彫刻家ジラルドンにより修復され、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間に展示されていた。

死後の肖像

この肖像はオクタウィアヌス・アウグストゥスの甥で娘婿に当たるマルケルスの死後の肖像である。マルケルスは、前23年に早死にする前は、オクタウィアヌスが後継者として望んでいた人物だった。彼は前5世紀のギリシアの手本にならい表現されている。その手本となった作品とは、前447年のコロネアの戦いの際に戦死した英雄たちの、墓の上に建てられている、葬祭用のヘルメス像であった。この戦いは、人民政府の支持者のアテナイ人に対する、特権階級の擁護者、べオティア人の勝利で幕を閉じた。英雄的裸体と、左手に持っていたと思われる2匹の蛇が絡まりあったヘルメスの杖は、霊魂を冥界で導く能力から旅人の守護神とされるヘルメスに、この若き死者を同一視させている。クレオメネスの息子、アテナイの彫刻家クレオメネスが、自らの作品にサインをした部分に当たる足元の亀は、ヘルメスによって作られた竪琴を想起させる。それはまたヴィーナスの象徴でもあり、アンキセスとヴィーナスの息子、アイネイアスに先祖を持つユリウス・クラウディウス朝の、伝説的祖先を暗示している。

ギリシア古典主義の引用

帝国のプロパガンダに役立てるため、この像の制作にあたって、オクタウィアヌス・アウグストゥス帝は前5世紀のアテナイを典拠とした。ポリクレイトスの作風の跡をなぞるこの英雄化された肖像は、コントラポストにより活かされた競技者の筋肉を備えた理想的肉体を持ち、正面からの鑑賞を優先するギリシア古典美術から顕著に着想を得ている。顔もまた、冷ややかな光沢をもつ神の肉体に調和させるため、理想化されている。

出典

- DE KERSAUSEN K., Catalogue des portraits romains, I, Paris, 1986, p. 46-47, n 18.

- HASKELL Fr. , PENNY N. , Taste and the Antique : the Lure of Classical Sculpture 1500-1900, New Haven, Londres, 1981, p. 219-220, n 42, fig. 114.

- BALTY J. Ch. , "Notes d'iconographie julio-claudienne, IV- M. Claudius Marcellus et le" type B "de l'iconographie d'Auguste jeune", in Antike Kunst, 20, 1977, p. 108-112, pl. 25, 1 et pl. 28, 2.

- SÄFLUND G., "Il Germanico del museo del Louvre proposta di identificazione e di interpretazione", in Opuscula Romana, 9, 1973, p. 1-18, fig. 1-2, 9-10.

作品データ

  • アテナイのクレオメネス、クレオメネスの息子、

    マルケルスの全身像

    前20年頃

    ロ-マ

  • 浅浮彫と高浮彫、大理石

    高さ1.90m

  • 旧モンタルト・コレクション、次いでルイ14世コレクション、1798年の革命接収品

    Inventaire MR 315 (n° usuel Ma 1207)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術 ユリウス=クラウディウス朝I アウグストゥス帝とティベリウス帝の治世 紀元前27‐紀元37年
    展示室23

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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