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作品 マンティネイヤのヘラクレス

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

マンティネイヤのヘラクレス

© 1999 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Lepetoukha Charlotte

この強靭な筋肉をもつ人物像の中には、ヘラクレスを思い浮かばせるものがある。この英雄はかつて、その象徴となる棍棒と弓を振り上げていた。作品は紀元前5世紀中期の研究要素であった、動作についての関心を表している。この作品は、ヘラクレス信仰が称えられていたことが伝統により知られる、マンティネイヤに奉げられていたと仮定できる。しかしながら毅然と身構えた、それら重々しい体の均整は、むしろ伝統的なものである。

ヘラクレス

このブロンズ小像は、「英雄的な足の構え」といわれる、脚を大きく開いたポーズをとり、髭を生やした裸体の男性像を表現している。頭の高さまで上げられ、曲げられた右腕は恐らく棍棒を振り上げていたのであろう。左手は前方に差し出され、その手中には、円い切断面の物体、が握られていた。そこには弓が握られていたのであろう。これら再現された象徴、立派な筋肉は、他の作品でよく知られた図像の形態に沿い、戦うヘラクレス(ここでは、そのライオンの皮を所持しない形で表されている)を表現した事が充分に読み取れる。

アルカディヤ地方に奉げられたアルゴスのブロンズ像?

ヘラクレスは、ギリシア図像で最も多く登場する者の一人であり、それは特に彼が伝説的先祖と見なされたペロポネソス半島にて多く見られる。このブロンズの小像は、これが奉げられたと思われるアルカディヤの都市、マンティネイヤに由来する。エリュマンソス山の野猪狩り、アルカディヤの鹿、ステュムハリデスの猛畜退治、などの多くの功業は、ペロポネーゼ半島のこの地方が舞台となっており、それはこの特殊な地方信仰の訳を説明する。もう一方でトゥキディデス(5巻64章5)などによる文学資料は、マンティネイヤでのヘラクレス信仰を語っているがそれはよく知られていない。もしこの作品がマンティネイヤに奉げられていたのなら、その要素はアルゴリダの近隣地方、アルゴスの都市にて制作されたと示唆する。というのもその重々しい強靭な体の輪郭、姿勢の安定性、重々しい顔の輪郭は、アルゴスの伝統に特有と思われる特徴である。それぞれの流派の差異は、クラシック時代に入ってからは減少傾向にあるが、ここに見るような小像の中では根強く残る。

動作の研究

この作品は、紀元前5年前半に芸術家たちが強く興味を抱いた研究を暗示する。アルカイック時代の作品を占領した直立性の後、芸術家の興味は、体に動作を加え、その影響を受ける筋肉の再現に移行した。その素材と規模の小ささにより可能となる表現の自由から、ブロンズの小像はこの観点にて、彫刻家にとって極めて興味深い習作の分野を提供した。それは巨大な彫刻以外のものに画期的な解決法を提案した。巨像に関しては5世紀中期以降現れることになる。
ヘラクレスはここでは紀元前5世紀に人気を得た形に沿い表現されている。その「英雄的な足の構え」はアテネに保管してあるブロンズ巨像、アルテミシオン岬の神にも見られる。勢いがありながらもそれを制御した動作中の体を表現するこの姿勢には、腹部の筋肉の呼応、胸部の伸びが巧みに表現されている。しかしながら、低すぎる位置に置かれた臍、鼠径部の折り目に模られた鋭角、上半身の加工の不確かさなどの、いくつかのアルカイック時代の特徴が残っている。そのことからこの作品は紀元前460年頃に制作されたとされる。

出典

Charbonneaux J., "Statuette en bronze d'Héraklès", in Monuments Piot, XXIX, 1927-1928, pp. 137-147.
Descamps S., "L'Héraclès de Mantinée, une maîtrise parfaite du mouvement", in Archeologia hors série n 2 H, 1993, p. 41.
Exposition The Greek Miracle, National Gallery of Art, Washington, 1993, n 14, p. 110.
Rolley C., La Sculpture grecque, I, Paris 1994, p. 333.

作品データ

  • マンティネイヤのヘラクレス

    紀元前460年前

    マンティネイヤ、アルカディヤ、ギリシア、

    アルゴス、ギリシア

  • ブロンズ、銅のはめ込み、鋳造、線刻、はめ込み

    高さ:13cm

  • 1923年購入

    Br 4171

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ブロンズの間
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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