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作品 ミイラのビーズ製ネット装身具

古代エジプト美術部門 : ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1069-前30年)

ミイラのビーズ製ネット装身具

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1069-前30年)

執筆:
Geneviève Pierrat-Bonnefois

王朝時代のエジプト人は、色と光沢が美しいファイアンス(ケイ酸質の陶磁器)でできた宝飾品を大変重宝していた。紀元前第1千年紀に入ってから、ミイラの一番外側の屍衣に、このような専用の装身具が付けられるようになった。来世の偉大な神々の象徴を、ビーズで編みこむことによって遺体が守られる、と信じられていた。

ビーズ編みの技術

3000年間続いた王朝文明では、夥しい量のファイアンス製ビーズが作られた。さまざまな色に富むファイアンス製ビーズは、金銀細工や半貴石の宝飾品より安価であったため、と考えられる。ファイアンス製ビーズは、肩まで覆う幅の広い首飾りやブレスレットの製作に使われた。また、亜麻でできた女性用衣装の上に羽織るネット装身具にも使われている。(例:第16展示室3番ガラスケース、ナクティ墓出土の<供え物を運ぶ女>、及び、第9展示室4番ガラスケースの展示品) そのほか、微細なファイアンス製ビーズで織られたベルトやクッションカバーも発見されている。第21王朝からは、ミイラを覆うためのネット装身具が作られるようになる。このネット装身具では、長形のビーズと環状のビーズが交互に組み合わされて編みこまれ、死者を守る図像を含む、多彩色の装身具を構成している。

人物大の護符

ネット装身具上部の織り部分に見られる、死者を守る図像で、墓の形をした台座の上に横たわる二匹の黒い犬は、ミイラ作りの守護神で、墓を守る神でもあるアヌビス神を表しており、偉大なる冥界の神、オシリスの象徴である4本の「ジェド」柱、すなわち安定を意味する柱を囲んでいる。中央には、太陽神の復活した姿を表すスカラベのケプリ神がいる。こうした図像は、死後も、太陽とともに、永遠に繰り返す日々を生きていきたいという、死者の切望を表している。図像のその他の部分は、古代の婦人用装身具の伝統に従って、ジグザグ模様、交互に配置された帯状の縁取り模様、斜めに入った網目模様からなっている。このような見事なビーズ製ネット装身具は、死者の様相を素晴らしく整えると同時に、人物大の巨大な護符の役割も担っていた。

末期王朝時代の卓越したファイアンス作品

このビーズ製ネット装身具には修復された痕跡がある。おそらく当美術館で修復されたものと思われる。しかし、ビーズの配置や全体の形は元のままであると思われる。保存状態が驚くほど良好で、色彩が極めて豊富である。また、色のコーディネートが格別である。トルコ石を思わせる緑青色、紺色、空色、黄金色などが組み合わされて織り成す色調を目にするば、誰しも感激を覚えることだろう。この装身具の特質、及び豊富で正確な色階から、末期王朝時代も末の頃、すなわち第1次ペルシャ支配時代から第30王朝時代の間に作られたものと思われる。

出典

- Gifts of the Nile. Ancient Egyptian Faience, catalogue de l’exposition, Rhode Island, 1998, p. 160, 249, notice n°  163.

作品データ

  • ミイラのビーズ製ネット装身具

    末期王朝時代、第27王朝-第30王朝、前525-332年

  • 釉薬がかかったケイ酸質の「ファイアンス」

    縦1.05m、横0.29m

  • 1826年、おそらくソールト・コレクションより購入

    N 3078

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    素材と技法 芸術家と職人
    展示室7

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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