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作品 ミイラの仮面

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

ミイラの仮面

© 2007 Musée du Louvre / Christian Décamps

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
David Elisabeth

普段エジプト人は髭(ひげ)を生やさないと思われているが、世界のエジプト美術コレクションの彫像やミイラの仮面には、頻繁に顎髭や口髭がついている。髭は、特に古王国時代末期から中王国時代初期にかけて多く見られ、中王国時代に遡るアシュート墓地出土のミイラの仮面にも、これを特徴としているものがある。

ミイラの仮面の誕生

ミイラが現れるようになったのは、死体の化学的処理が行われるようになった、おそらく、第4王朝時代ではないかと推測されている。古王国時代のミイラは、大きな布の包みのような様相を呈し、人間の形を正確に再現しようとはしなかった。第5王朝になって、死者の容姿を想い起こすように、ミイラに薄い石膏の層を塗ったり、顔に形をつけたりするようになった。第1中間期では、やはり「包み」タイプであったが、「カルトナージュ」(麻布を何層にも重ねて石膏で固めた物)と呼ばれる素材で顔の輪郭をかたどって彩色した仮面が現れるようになった。シェイク・ファラグから出土した仮面のうち一つは、顎髭と口髭をつけている。

髭か付け髭か

仮面が、はたしてその死者のミイラの顔に似ているかどうかを判定するのは難しい。アシュートで発見されたミイラの保存状態は特に悪かったので、発掘者であるエミール・シャスィナは、発見時にそれを調査しようともしなかった。だが、アシュートから100km以上離れたところにあるベニ・ハサンの中王国時代の墓地から、この作例とほぼ同じ素材でできた、同じタイプの仮面を付けた遺体が見つかり、その男性のミイラは、確かに口髭と輪状顎髭を付けていた。口髭と顎髭や、エジプトの名士の特徴である短い付け顎髭を付けている仮面もいくつか存在している。

仮面から人型棺へ

紀元前2千年紀初期の仮面は、全て同じ手本を基にしている。すなわち、頭部から背と胸部までを覆う胸甲に似た、かなり長い仮面である。仮面には穴が開けられ、細ひもを通してミイラに縛りつけられていた。長めの胸甲とミイラを包む最後の布で、仮面をあるべき位置に固定できた。装飾も型通りもので、一般的に、男性は両方の横髪が肩の前まで垂れる鬘をかぶり、額の上に細い鉢巻をしている。頭頂部は花束で飾られ、死者の胸部にはウセク首飾りがつけられている。耳は見えないこともあり、この作例のように彩色されたり、あるいは別に彫られて、ほぞで留められたりした。エジプト人は、このようなタイプの仮面を、「卵の殻」と呼んでいたようだ。新王国時代には、生きた姿を追求するようになり、人型棺が作られるようになる。

出典

- Un siècle de fouilles françaises, 1880-1980, catalogue d'exposition, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1981, p. 133.

作品データ

  • ミイラの仮面

    中王国時代、第12王朝初頭、紀元前1950年頃

    アシュート墓地、第6号墳墓出土

  • 固めた布に化粧漆喰と彩色

    高さ50.5cm、幅31cm、奥行き29cm

  • 1903年に発掘の分配分としてエジプト政府から寄贈

    E 11995

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    死者の書 副葬品
    展示室17

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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