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作品 ラス・インカンタダスの柱

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

ラス・インカンタダスの柱

© 2011 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Marie-Bénédicte ASTIER

これら一連の柱は、この都市の建築活動が盛んな時期に当たる、紀元2年又は3年にテッサロニーキのローマ時代のアゴラの上に建てられた、二階建ての柱廊に由来する。それぞれの柱はヘレニズム時代より人気を得ていた主題に着想を得た、二人の神話の人物により装飾されている。17世紀にこの建物は「魔力を持つ」という意味の、インカンタダスという名前を与えられた。それは、テッサロニーキの古代宮殿にまつわる架空の話に由来する。

ラス・インカンタダスの柱廊

この四本の大理石の柱は、テッサロニーキのローマ時代のアゴラの上に建造された、巨大な建築物の一部を成した二階建ての柱廊に由来する。これらの柱は、円柱やエンタンブラチュアの上の上部に設置されていた。この建物の本来の役割は不明である。柱廊というより両側から見渡せる間隙のある仕切りのようなものを想像するべきであろう。それはヘレニズム時代に存在したもののように異なった二つの空間を隔てるものであった。スペイン語で「魔力を持つ」という意味のインカンタダスという異名は地元の伝説により17世紀にこの建物に与えられた。トラキア王は魔術師に自分の妻の部屋とアレキサンドリア大王の部屋を結ぶ宮殿の回廊に魔法をかけるよう依頼した。というのも妻の愛人、マケドニア王国の君主を罠にかけるのが目的であった。そしてこの回廊に足を踏み入れるものは全て石に変えられていった。

ヘレニズムから着想を得た装飾

それぞれの柱は、その前後に高浮彫で彫刻された二人の神話の人物により装飾されている。それらの図像はギリシア・ヘレニズム文化のレパートリーに着想を得ている。というのもここで描かれている神話はローマ人に高く評価される以前に、紀元前4世紀末よりギリシア世界において大成功を収めていた。着物が風により膨らんだ、羽を付けた勝利の女神(ニケ)は、バッカスの行列に常に同行するメナドに似せて笛を吹く半裸のバッカンテと組み合わせられている。バッカスの妻アリアドネは二番目の柱に描かれ、葉と枝の付いたブドウとその実を頭に付けている。その裏は円錐形のフエルト帽(ピロス)より判断されるバッカスが描かれている。三番目の柱は豹を伴ったバッカスである。彼は木蔦とブドウの実を頭に付け、左手にはブドウの若枝を手にしている。海を引き裂くアウラ神はその裏に描かれている。四番目で最後の柱は二つのゼウス神の恋の逸話を描いている。一面には白鳥に変身した愛人を保護するレダ、もう一面は鷲に変身した神により連れ去られるガニュメデエスである。

帝政時代の建築物

建物の建築年代は長い間議論されていた。無装飾の円柱と柱頭の様式から紀元4世紀初期という意見が推進された。この仮定は紀元300年頃この都市にガレリウス帝が定住した時期に重なる。またテッサロニーキのアゴラの形と小アジアのものを比較し、ハドリアヌス帝の統治期(紀元117年から138年)又はその直後の2世紀中期のものと見るものもいる。しかしながら浮彫の加工、主題の選択、今日復元された建築物は、その建設時期をむしろ、ローマ帝国のこの属州において建築活動が極めて盛んであった紀元2世紀末から3世紀初期に位置させる。

出典


- BALDASSARE I., « Las Incantadas di Salonico », in Studi Miscellani 22, Rome, 1976, p. 23-35.

- GUERRINI L., « Las Incantadas di Salonico », in Archeologia Classica, vol. XIII, Rome, 1961, p. 40-70.

- PERDRIZET P., « L'Incantada » de Thessalonique », in Monuments et Mémoires. Fondation Piot, 31, Paris, 1930, p. 51-90.

作品データ

  • ラス・インカンタダスの柱

    紀元2世紀末から3世紀初期

    ラス・アンカンタダスの柱廊、テッサロニーキ

    マケドニア王国、現ギリシア北部

  • 大理石、高浮彫

    H. : 2,06 m. ; L. : 0,75 m. ; Pr. : 0,75 m.

  • 1865年ミレー調査隊

    n usuel Ma 1391

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

A面:勝利の女神B面:笛を演奏するバッカンテ