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作品 ラメセス4世の埋葬用小彫像

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

ラメセス4世の埋葬用小彫像

© Musée du Louvre/G. Poncet

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Letellier Bernadette

この埋葬用小彫像は、ファラオラメセス4世のために作られたものである。エジプトが衰退期にさしかかっていた時期に作成されたものにもかかわらず、均整のとれた体型、顔の肉付き、銘文の書体の技巧において、きわめて卓越した出来栄えとなっている。ラメセス4世は、その治世は短命に終わったが、父親のラメセス3世が着手した神殿の修復事業を続行し、デル・エル=メディーナ(ディール・アル=マディーナ)に住む、王に仕える職人たちを支援し、作業班の人員も増強させた。

「ウシャブティ」とは何か

エジプト人は、このような埋葬用小彫像を「ウシャブティ(シャブティ)」と呼んだ。ウシャブティとは、「答える者」を意味する。このような埋葬用小彫像は、エジプト文明の独特な芸術品と見なされ、収集家たちからきわめて高い評価を得ている。ミイラ姿をした被埋葬者を表わし、被りもの、また時として手に持っている付属品、そして記されている名前が、王族であったか私人であったかという、被埋葬者の身分を知る唯一の手がかりとなる。ウシャブティは中王国時代に現れ、エジプトのファラオ王朝の末期まで作られていたが,元々は王族が持つ品ではなかった。そこにしばしば記されている銘文には、小像の用途が説明されている。これは、来世での生活の様子が書かれている一般向けの呪文集、『日中に姿を現すための書』(通称『死者の書』)から抜粋されたものである。被埋葬者の分身であるこの小像に、来世で課せられる可能性がある農耕労働や様々な強制労働を、被埋葬者の代理として行うよう命令している。

王の小彫像

王は死後、大地の回りを永遠に就航する太陽神と運命を分かち合うことになっていたので、この種の強制労働の対象にはなりえなかった。それにもかかわらず、ラメセス4世のウシャブティは、地を耕し、粘土をかき混ぜる犂を二本握っている。脚の部分に、上記の『死者の書』の第6章が王の名の元に美しいヒエログリフで書かれている。要するに、王と一般人のウシャブティが唯一違う点は、王のウシャブティは「ネメス」頭巾をかぶっている点だけである。本来主人の代理人であったウシャブティは、主人を象徴する制服を着用した単なる奉公人になってしまった。まぶしいほど白い屍衣には、色が驚くほど鮮明に残っている。テーベ地方から出土した新王国時代の多数の木製作品は、全ての点において卓越しており、このウシャブティのように、多彩色がよく保存されている。

数はいくつ

ラメセス4世は、王家の谷の墳墓の壁に自分のウシャブティを描かせており、40体のウシャブティが一列をなして並んでいる。この数は驚きをかき立てた。というのも、大英博物館に収蔵されているあるパピルスによれば、昔からの伝統では、置いておく埋葬用労働者の数は401体とされていたからだ。一日に1人が働く、1年分のウシャブティ(365体)に、10人の労働者につき命令する監督官1人(36体)が加えられていた。しかしながら、この規則は必ずしも強制的なものではなかった。本来死者は、ウシャブティを1体しか持たないものであったが、その後、同一人物が数百体ものウシャブティを持つケースもでており、400体という驚異的な数を大幅に上回るものもある。かの有名なトゥトアンクアメン(ツタンカーメン)の葬祭宝物の中には、417体ものウシャブティが収納されていた。

出典

- ZIEGLER Ch., BOVOT J.-L., Art et archéologie : L’Egypte ancienne,  Ecole du Louvre / Editions de la Réunion des musées nationaux / Documentation française, Paris,  2001, p. 240-241, fig. 139.

- BOVOT J.-L., Chaouabtis. Des travailleurs pharaoniques pour l’éternité, catalogue d’exposition, Louvre/Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 2003, p. 66.

作品データ

  • ラメセス4世の埋葬用小彫像

    新王朝時代、ラメセス4世治世下、第20王朝、(前1153-前1147年)

  • 木の上に彩色、丸彫り彫刻

    高さ32.50cm

  • N 438

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    オシリスの祭室 王の墓
    展示室13

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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