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作品 三位一体の装飾板

工芸品部門 : 中世

三位一体の装飾板

© 2003 RMN / Jean-Gilles Berizzi

工芸品
中世

執筆:
Isabelle Balandre

この金銀細工による装飾板は、君主たちが毎年あるいは特別な機会に贈り合った宝飾品のまさに典型例を示している。本作品は、ヴァロワ朝の人々に愛好された主題「三位一体」と「嘆きの聖母(ピエタ)」を想起させる。1400年頃にパリで活躍した金銀細工師の技術の粋を示す一例であり、金の丸彫り彫刻へエナメルをほどこすことや宝石と真珠を用いた装飾など様々な技法が組み合わされている。16世紀には、1578年に国王アンリ3世が創設した聖霊騎士団の宝物室に加えられた。

複合的な図像

ゴシック様式の建築を模した4層構成の中に、小像で飾られた複数の壁龕が収められている。失われた部分があるとはいえ、中央には十字架を両手にもつ父なる神という「三位一体」を認めることができる。上には聖霊の鳩が載っていたに違いない。その上にいる聖母は、おそらくキリストの体を抱いていたのだろうが、現在それは失われている。頂点には「勝利のキリスト」、つまり「世の救い主」の小像があり、幟と天球を手にしている。これは死に対する勝利を象徴する。これら3つの場面の組み合わせは、それ以前にはあまり見られなかったものである。
他の壁龕では、聖人や使徒がそれぞれの持物から区別できる。聖ペテロ(鍵)、聖パウロ(剣)、聖バルトロマイ(刀)、聖カタリナ(車輪)、聖バルバラ(塔)、聖トマス(槍)、そしてハンガリーの聖エリザベト(王冠)である。

華麗で洗練された技法

像の衣服は白エナメルで覆われ、それを赤および緑の半透明のエナメルが引き立てている。金の丸彫彫刻にエナメルをほどこす技法は、14世紀半ばにパリの金銀細工師の作品に現れる新しいものである。
1420年の目録には、サファイア17個、ルビー11個、真珠70個と記され、現在以上に多くの宝石や真珠で飾られていた。
真珠は房にして取り付けられ、サファイアとバラスルビー(スピネル)は爪のついた円錐台状の台座に嵌められている。宝石類の重なりが生む効果と彩りの鮮やかさが、このタイプの宝飾品の特色である。
乳白色のエナメル層で厚くなったために衣襞の起伏が緻密さを欠くにしても、繊細な切妻壁やピナクル(尖塔)、天蓋などの建築を模した装飾は、作品全体に洗練された個性を与えている。

王室の注文

この作品は1412年頃、イギリス王妃ジャンヌ・ド・ナヴァールから、息子のブルターニュ公ジャン5世に届けられた。数々の宝石のうち、1つのサファイアには側面肖像が沈み彫で彫られているが、その女性の面差しは驚くほど同王妃に似ている。この装飾板はアンヌ・ド・ブルターニュ(1477-1514)の持参金リストに記載されており、彼女が国王シャルル8世(1470-1498)と結婚したのち王室の財産に加わった。また1578年に国王アンリ3世が聖霊騎士団を創設した際、その宝物室のために選んだ作品のうちの1つだった。この君主の紋章は、基部に付け加えられた楕円形のメダイヨンに描かれている。
イギリス美術との類似が認められるものの、作品全体は確かに1400年頃のパリの様式をよく表している。ヨーロッパの宮廷の間で数々の贈り物がやりとりされたとを考えれば、「国際ゴシック様式」という語が用いられるのももっともである。

出典

- Les Fastes du Gothiques, Le siècle de Charles V, Éditions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1981, pp. 262

作品データ

  • 三位一体の装飾板

    1380-1400年頃

    聖霊騎士団宝物室

    パリまたはロンドン

  • エナメルを塗った金、彫金をほどこした金、サファイア17個、ルビー12個、真珠50個

    高さ44.5cm、幅14.8cm

  • イギリス王妃ジャンヌ・ド・ナヴァールから息子のブルターニュ公ジャンへ贈られた(1412年頃)。ブルターニュ公コレクション、次いで歴代フランス国王のコレクション旧在、アンリ3世から聖霊騎士団宝物室へ贈られた(1578年)。

    MR 552

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    シャルル5世の王笏
    展示室4

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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