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亀と遊ぶナポリの少年漁師

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

彫刻
19世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

上機嫌な様子が伝わってくるこの若い漁師は、美術史においてひとつの時代を画している。フランソワ・リュードは率直な主題と自然の理想化されていない姿によって、古典的な伝統を打破している。少年の魅力は作品の成功を間違いなくもたらし、ジャン=バティスト・カルポーといった多くの芸術家に影響を与えることになる。

ロマン主義的な声明

籐の糸の首かせをはめられた亀で遊ぶ陽気な少年は、1833年のサロンで熱狂的な人気を引き起こした。趣のある人物像と物語的な主題を初めて芸術家が実物大の大理石に彫刻したのである。作品はとりわけ大理石という最も高貴な材質を使った材質における彫像美術に風俗的な場面は似つかわしくないと評価していた古典的なイデオロギーと完全に断絶している。主題だけでなく様式においても、リュードは古典精神を打ち砕いている。古典的な様式をも取り入れているこの作品は、開放的な今までにない感情や新たな新鮮味を吹き込んでいる。神話の中の英雄のように少年は裸体で表現されているが、その身体は理想化されておらず、美的感覚の真の妨害と言える屈託のない微笑みが歯を露にしている。ヘレニズム期の彫刻には子供の遊びという伝統が存在していたが、リュードは子供の姿の大衆的で溌剌とした要素を強調している。魚網の上に座った少年は漁師であり、被った帽子と肩衣(首の周りに通す信仰用具)から、ナポリの漁師であることが分かる。しぐさは無頓着で、皺のよった目つきやえくぼ、開いた口といった顔つき全体に笑いが浮かび上がっている。

イタリア風の趣き

スタール夫人による小説『コリーヌ(もしくは『イタリア』)』によって、農民や漁師の趣きある姿は、詩人や芸術家にとっては美しく単純で無垢な自然を体現する要素となり、南イタリアのみにそれが残存すると見なされていた。イタリアを訪れたことのないリュードは、おそらくスイス人画家レオポール・ロベール(1794-1835)のイタリアの民俗芸能的な場面から作品の主題を得たものと考えられている。1829年から制作され、1831年のサロンに展示された石膏原型で、リュードはその後の多大な流行を予告させる主題を初めて発表したのである。1833年のサロン直後から、フランシスク・デュレは軽快で陽気な《タランテラを踊る若い漁師、ナポリの思い出》(ルーヴル美術館所蔵)を展示している。これらの作品の開花の中でも、ジャン=バティスト・カルポーの《貝殻を持つ少年漁師》(オルセー美術館所蔵、石膏原型がルーヴル美術館に所蔵)は突出している。作家はこの作品をローマ滞在中に制作しており、その際にリュードの漁師の顔の型を取り寄せている。少年の気品、率直さ、楽しそうな無邪気さによって、カルポーは自らの師に感動的な献辞を捧げたのである。

過去の芸術家の容認

ギュスターヴ・プロンシュといった保守的な評論家による不評にもかかわらず、《ナポリの少年漁師》は驚異的な成功を収めた。作品はルイ=フィリップの王室管理局によってリュクサンブール美術館のために取得され、現代芸術家展に出展された。政府は当時49歳であった彫刻家から初めて作品を購入したのである。同年に、リュードはレジヨン・ドヌール勲章を授かっている。こうして彫刻家は彼の最も有名な作品で、凱旋門の四つの高浮彫のひとつである《1792年義勇軍の出発》、通称《マルセイエーズ》(頭部の石膏原型がルーヴル美術館に所蔵)の注文を受けることになるのだ。

作品データ

  • フランソワ・リュード

    亀と遊ぶナポリの少年漁師

    1833年サロン展示作品

    1833-1855年、リュクサンブール美術館

    パリ

  • 大理石像が1833年のサロンに展示。石膏原型が1831年のサロンに展示。

    高さ0.82m、幅0.88m、奥行き0.48m

  • 1833年6月7日、ルイ=フィリップの王室決定によりリュクサンブール美術館のために取得。1863年よりルーヴル美術館に

    L.P. 63

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    バリー
    展示室33

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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