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作品 休息するヘラクレス

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

この小像は前4世紀末リシュッポスにより制作されたブロンズ製作品の、多くの複製のうちのひとつである。これは、視点を増やすため手や脚の配置を活用しながら、三次元の空間のなかに人間の体を導入するブロンズ鋳金師の関心を伝えている。ヘラクレスは12の功業の後の姿で表現されている。疲れた様子の彼は、その半分がネメアのライオンの皮で覆われた棍棒に寄りかかり、背中に回した手の中には、ヘスピデスの園のリンゴを握っている。

リシュッポスの休息するヘラクレスの反映

19世紀末ウンブリア州のフォリーニョにて発見されたこのブロンズ小像は、ヘレニズム時代の初期に当たる、前4世紀の最後の数十年に、ギリシア彫刻家シキュオンのリシュッポスにて制作され、今日失われたブロンズ製作品の縮小版を表現している。ヘラクレスは、エウリュステウス王に命じられた12の功業の遂行中ではなく、その試練の後に疲労している。この疲れた英雄は、その一部がネメアのライオンの皮で覆われた棍棒に寄りかかり、背中に回した手の中には、今日失われたヘスピデスの園のリンゴを握っていた。この小像は、英雄の歩んだ経路を見事に総括し、ヘラクレスの最初と最後の偉業を暗示している。この作品はルーヴル美術館に蒐集される前に、マルティネティという古美術商によりローマで修復された。それは、欠落していた右足の再現と古代の基盤の追加である。1895年に蒐集された棍棒は、オリジナルのものではない。オリジナルの右足は、後に取得され、作品の脇に展示されている。

リシュッポスの作品の流れを汲む作品

一部の者によりリシュッポスとほぼ同時代の複製と考えられたこの小像は、1世紀のローマ皇帝時代初期にさかのぼるのかもしれない。小型のブロンズ像の分野で、ローマン・コピーと紛失した原作の反映そのものであるかもしれない、ヘレニズム時代の作品を区別するのは本当に困難な事である。今日25個近くある彫刻の複製と多くの硬貨は、ヘレニズム時代からローマ時代の間の原作の人気を証明する。最も有名なのは、ナポリ国立考古博物館に保管してあるカラカラ浴場にて発見された巨大な大理石である。それはアテナイのグリコーンにより前1世紀に制作され、サインがしてあり、この何度も複写された彫像の型の名は、ファルネーゼのヘラクレス像に由来する。

リシュッポスの研究

人物像の極めて縦長の輪郭と意図的に縮小された頭部、筋肉のモデリングの力強さは、前4年後半にリシュッポスが作り出された新しいカノンに相当する。以降、頭部の高さは、体の長さの8分の1となる。リシュッポスは、より短いポリュクレイトスの7頭身のカノンのクラシック時代の伝統とは一線を画した。この作品はまた、3次元の空間に人間の体を挿入することへの作家の関心を伝えている。リシュッポスは、腕や腰の後ろに回された右手の位置、そして前に出された脚により視点を増やした。それによりその構図は、取り扱われた主題の意味を充分に理解させ、正面からは見えないリンゴを気づかせるため、あらゆる角度から彫像を鑑賞することを促す。作品の構想はヘレニズム時代の彫刻に常に見られる、劇的効果に担っている。

出典

Havelock C.-M., Hellenistic Art, 1971, pp. 119-120, n 81.
Héron de Villefosse A., "Séance du 13 novembre", in Bulletin de la Société nationale des antiquaires de France, 1895, pp. 288-290.
Krull D., Der Herakles vom typ Farnese, 1985, pp. 162-164, n 64.
Moreno P., "Il Farnese ritrovato ed altri tipi di Eracle in riposo", in Mélanges de l'Ecole Française de Rome et d'Athènes 94, 1982, 1, p. 400, p. 425, p. 434, p. 499, n B 2, 4, fig. 45.
Rolley Cl., La Sculpture grecque, II. La période classique, Paris, 1999, pp. 335-336, fig. 348.
Lisippo, l'arte e la fortuna, Rome, 1995, p. 109, n 4.14.4.

作品データ

  • 休息するヘラクレス

    前3世紀初頭、または帝政時代初期(1世紀?)のローマン・コピー

    フォリーニョ(中央イタリア)

  • ブロンズ、空洞鋳造、無垢鋳造、線刻、はめ込み

    高さ42.5cm(基盤無しで35cm)

  • ティシュキエヴィッチ・コレクション、1870年購入寄贈

    BR 652

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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