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使徒像頭部

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

彫刻
中世のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

この見事な《使徒像頭部》は、謹厳で気高い印象を与える。この像は精巧に彫られ、やや率直すぎるほど写実的な顔立ち、すっきりと簡素な量感と深い内面性とを併せ持っている。本作品は、フランス国王シャルル5世の弟ベリー公ジャンの居城、メアン・シュル・イェーヴル城(シェール県)礼拝堂を飾っていた彫刻のうち、唯一の名残りである。

名高い建設現場メアン・シュル・イェーヴル

ベリー公ジャンは、ブールジュにほど近いメアン・シュル・イェーヴルに、別荘としての城を建設させた。弟のブルゴーニュ公フィリップ豪胆公は、お抱え職人である画家ジャン・ド・ボーメと彫刻家クラウス・スリューテルにこの名高い建築現場を訪ねさせている。工事は1370年からベリー公の没する1416年まで続いた。城の礼拝堂は、13世紀半ばにパリのサント・シャペルで取り入れられた配置に従って、十二使徒の像で飾られていた。城は1550年に落雷のため炎上し、その後は打ち捨てられ廃墟と化した。使徒像は町の教会に運ばれたが、フランス革命で破壊された。この使徒像頭部はメアンのある庭園で発見されたもので、知られる限り唯一の名残りである。

作者の問題

彫刻家アンドレ・ボーヌヴーは、フランス王シャルル5世に仕え、同王の横臥像(サン・ドニ聖堂)を制作したが、その後ベリー公に仕えて生涯を終える。この彫刻家はメアンの彫刻作業現場を指揮し、1397年、彼を補佐していたジャン・ド・カンブレーが後を引き継いだ。ルーヴル美術館が所蔵する頭部は、その堂々たる様と繊細な立体感から間違いなく巨匠の作品といえるが、2人の彫刻家のうちどちらの作か、美術史家の間では結論が出ていない。工事の年代が不確かなため、作者の問題は微妙である。
目を半ば閉じた顔は、深い物思いに沈んでいる。ブールジュのサント・シャペルにある、ボーヌヴー作とされる預言者像の頭部に似ている。しかし顔立ちの他の部分は、ベリー公の横臥像(ブールジュ大聖堂)の作者ジャン・ド・カンブレーの作品を想わせる。量感の扱いは簡素で力強く、顔立ちはやや率直すぎるほど写実的だからである。ぎゅっとしかめた眉や額にカーヴを描く皺、伏せた瞼や、深い皺の刻まれた目じりなど目元の皺から、使徒の内面の緊張が伝わってくる。こうした細部は、彫刻家によって個性が出る部分である。髪の毛と髭のしなやかさもジャン・ド・カンブレーを作者として後押しする。結局、密接な協力関係にあった2人の彫刻家のうち、一方を選ぼうとする必要はないのかもしれない。

出典

- VITRY Paul, « Une tête d’apôtre de Mehun-sur-Yèvre », in Bulletin des musées de France, n°1, janvier 1929, pp.5-6.

- TROESCHER Georg, Die burgundische Plastik des ausgehenden Mittelalters, Francfort, 1940, p.33.

- AUBERT Michel, « Note sur la tête d’apôtre provenant de Mehun-sur-Yèvre et conservée au musée du Louvre », in Bulletin monumental, 1942, pp.297-303.
 
- AUBERT Michel, BEAULIEU Michèle, Description raisonnée des sculptures du Musée du Louvre, tome 1 Moyen Age, Paris, 1950.

- ERLANDE-BRANDENBURG Alain, « Jean de Cambrai, sculpteur de Jean de France, duc de Berry, », in Monuments et mémoires, Fondation Eugène Piot, tome 63, Paris, 1980, pp.143-186.

- Les Fastes du gothique : le siècle de Charles V, catalogue d'exposition, Galeries nationales du Grand Palais, Paris, 1981-82, n°105.

- Tesoros medievales del museo del Louvre, catalogue d'exposition, Mexico, Museo del Palacio de Bellas Artes, 1993, n°49.

作品データ

  • アンドレ・ボーヌヴー工房作

    使徒像頭部

    14世紀末

    メアン・シュル・イェーヴル城(シェール県)礼拝堂のために制作された十二使徒像の1体。城はベリー公ジャン・ド・フランスの命で建設され、1567年崩壊した。

  • 石灰岩

    高さ31cm、幅23cm、奥行き21cm

  • 使徒像は17世紀にメアン参事会聖堂へ運ばれたが、フランス革命で行方不明になった。頭部はベルトラン・デュタール庭園で発見された。1929年1月4日の法令により収蔵。

    R.F. 1979

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    ジャン・ド・リエージュ
    展示室9

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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