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作品 供物を運ぶ女性

古代エジプト美術部門 : 先王朝時代末期から中王国時代末期(前3800-前1710年頃)

供物を運ぶ女性

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
先王朝時代末期から中王国時代末期(前3800-前1710年頃)

執筆:
Delange Elisabeth

左足を前に出して供物を運んでいる女性の立像は、牛の腿が上に載せられ籠と水差しを運んでいる。これは中王国時代初期の墓から出土したもので、「供物を運ぶ女性」と呼ばれるタイプの彫像の中でも大型なもの。別個に作られた幾つかの木製の部分を組み合わせて作られ、全体に多彩色が施されている。

彫刻

土を表す濃い黄土色に塗られた台座の上を、供物を運ぶ女性が歩いている。短い髪の鬘を被り、羽模様の装飾が施された、身体にぴったり密着した細身の衣装を着用している。襟ぐりの回りにウセク首飾りが輝いており、その下に肩紐が見える。頭上にのせて片手で支えた籠の蓋の上には、牛肉の腿がのせられている。もう一方の手には大きな水差しを握って差し出している。この女性について考察してみよう。

副葬用の「模型」

中王国時代の岩窟墓の壁は、しばしば砕けやすい性質を持っていたため、浅浮彫を彫るには適してなかった。そのため、葬祭に欠かせない最も重要なテーマは、木製の小像や「模型」という形をとって大量に作られ、地下墓室に置かれるようになった。食料の供物は重要な食事とされ、冥界での生活に不可欠なものと考えられていた。この「槽を運ぶ女性」(この彫像の副題)が誰に供物を捧げているのかその身元は分っていないものの、この彫像は、その大きさ、卓越した技巧、供物の立派な水差しにおいて類稀な作品となっている。形に見て取れる見事な腕前と既成の枠にとらわれない出来ばえから、テーベの王家の工房で制作されたものではないかと推測されている。

芸術のモデル

数十年もの間、このタイプの彫像の唯一のモデルであった「槽を運ぶ女性」は、極めて早い時期から参照の対象となっていた。作品の形はその素材によって影響されるものだが、この彫像は、木で作られた12個の構成部分を組み立てて出来上がっているため、関節の動きが容易になり、若々しいシルエットと身体から離れた腕に新しい自由な動きが与えられるようになった。長い首や直角な線を描く腕など、身体の各部は厳密に彫られている。胸は前方に突き出ており、これも、エジプト芸術では稀にしか見られない表現法である。強調された臀部の筋肉は、側面からみるとほとんど角ばって見える。最も美しいモデルの特徴であるこれらの幾何学的シンプルさは、キュビスム全盛時代を生きていたピカソの目に留まり、彼の手によるルーヴルの「槽を運ぶ女性」のデッサンがピカソ美術館に何点か収蔵されている。

作品データ

  • 供物を運ぶ女性

    中王国時代初期、第11王朝あるいは第12王朝初期(前2033-前1900年)

    おそらくテーベ出土

  • イチジクの木、彫刻(丸彫り)、彩色

    高さ1.08m、幅(台座)0.14m、奥行き0.32m

  • 1899年、取得

    槽を運ぶ女性

    E 10781

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    中王国時代 紀元前2033‐紀元前1710年頃
    展示室23

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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