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側の木をへし折った落雷に怯える女

© Musée du Louvre/P. Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Valérie Montalbetti

人間のか弱さと荒れ狂う自然との対決というテーマは、彫刻では稀だが、18世紀第2半期の文学そして絵画では頻繁に登場する。ストゥフは人物の古典的なカノンとロマン主義の感受性とを調和させ、若い娘の恐怖と急襲した雷の激しさをより強く表している。

魅惑の恐怖

ジャン=バティスト・ストゥフは1798年のサロンに、この長いタイトルで作品を出展しており、その叙述性、殆ど文学的な性格が強調されている。人間のか弱さと荒れ狂った自然の諸要素との対決は、1757年のイギリスの哲学者エドムンド・バーク論によると、崇高にまで至る魅惑の恐怖を生む。イギリスのサミュエル・リチャードソンの小説の影響による、この感情的で劇的な構想はフランス文学の中に浸透している。ジャン=ジャック・ルソーの書(『新エロイーズ』、1761年)やディドロの評論(1767年の『サロン』)にその跡が見られ、ベルナルダン・ド・サン・ピエールの小説『ポールとヴィルジニー』の中でその頂点に達する。絵画(ヴェルネ、プリュードン、ジロデ)の中でしばしば登場するこの怒り狂う自然を前にした人間の混乱のテーマは、彫刻では非常に珍しい。

古代作品ニオベ参照

アーティストは姿に対する古典的美意識と、既にロマン主義的な表現性とを結びつける。胸の下で締められた滑らかなチュニックとバンドでとめられた短い髪はディレクトワールの古典風様式にあたる。風でヴェールがたなびき、突風の為体は曲がる。この素晴らしい演出は有名な作品を参照したものである。姿態は古代の《ニオベ》像(フィレンツェ、ウフィツィ美術館)に似る。ローマで1583年に発見された6体からなる《ニオベ群像》は、ニオベとその子供達を表す。この子供達はアポロンとアルテミスに殺されてしまう。自分達の母親のレトが多産では無いとニオベに馬鹿にされたためである。数々の版画を生みまた模刻されたこの群像は、1769年までローマのヴィッラ・メディチの庭に飾られ、その後フィレンツェのウフィツィ邸に運ばれた。姿の控えめさや美しさを消すこと無く、困難の中で見せる様々な表情を作り上げた彫刻家を人々は絶賛した。広がったヴェールはファルネーゼ荘のラファエロ作《ガラテイア》の様な海の勝利の表現に似る。突風の影響が強調され、壊れたシルエット、大きくたなびく布、乱れた髪がそれである。割れた木の幹がその激しさを表す。途方にくれた顔(開いた口元、持ち上がった眉、斜めの視線)は1785年のサロン提出の、古典風に目が入っていない作品《悲嘆する若い娘》(ルーヴル美術館)を思い起こす。ストゥフは、魂の無限の震えを伝えることが可能な材料である粘土を使い、巧みにモデリングをする。これは当時の洗練された蒐集家を魅了した。

前ロマン主義の感覚

サロンではこの作品は目に留められず、唯一「メルキュール・ド・フランス」が大袈裟な表現は上品さとは正反対だと言及している。その次のサロンからは、画家フェレオル・ド・ボンヌメゾンが《田舎に向かう若い娘が嵐に驚く》(ニューヨーク、ブルックリン美術館)でこの表現を打ち出した。この小像は18世紀末の美術の中の前ロマン主義の新感覚を証言するものである。この時期ではストゥフは画家のプリュードンやジロデと共に特筆すべき人物である。この作品は、カール・ラガーフェルド・コレクション売却の際に、ルーヴル友の会により2000年にルーヴルが取得した。

出典

- SCHERF Guilhem, "Un don de la Société des amis du Louvre au département des Sculptures : Femme effrayée d'un coup de tonnerre qui vient de rompre un arbre à côté d'elle de Jean-Baptiste Stouf", in La Revue du Louvre, 2000, n 4, pp.18-21.

- SCHERF Guilhem, "Femme effrayée d'un coup de tonnerre qui vient de rompre un arbre à côté d'elle de Jean-Baptiste Stouf", in Nouvelles acquisitions du département des sculptures (1996-2001), Paris, 2002, pp.74-77.

作品データ

  • ジャン=バティスト・ストウッフ

    側の木をへし折った落雷に怯える女

    1798年

  • テラコッタ

    高さ0.61m、幅0.37m、奥行き0.28m

  • 2000年ルーヴル友の会寄贈

    R.F. 4652

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    ウードン
    展示室28

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

1798年のサロン