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作品 冠型聖遺物箱《リエージュの冠》

工芸品部門 : 中世

冠型聖遺物箱《リエージュの冠》

© 1999 RMN / Martine Beck-Coppola

工芸品
中世

執筆:
Muriel Barbier

1947年にルーヴル美術館に収蔵された《リエージュの冠》は、長い間《聖王ルイの王冠》と呼ばれ、パリで制作されたと考えられていたが、モザン美術〔中世にライン川・ムーズ川流域で発達した美術〕の一例であることが明らかになった。この聖遺物は、フランス国王聖王ルイ〔ルイ9世〕からリエージュのドミニコ会修道院に贈られた。この冠型聖遺物箱は、度々論争の的となったが、今日では、13世紀後半にパリで生まれた新様式が伝播した貴重な例だということがわかっている。

キリストの受難の聖遺物

ルイ9世(聖王ルイ)はコンスタンティノポリスで聖遺物の断片、とくにキリストの茨の冠などを購入し、この茨の冠を収めるためにパリのサント・シャペルを建立した。聖王ルイはまた、聖遺物の断片を少し取り分けてこの聖遺物箱に仕立て、贈り物にした。リエージュの冠にいくつかある小さなくぼみには、2種類の聖遺物が収められている。1つは、名の知れない使徒たち、証聖者〔迫害の際、信仰を告白した者〕、殉教者および聖母の骨、もう1つは、キリストの受難にまつわる聖遺物(槍、十字架、茨の冠)である。本作品は、聖王ルイの敬虔さと、受難の聖遺物への崇拝を物語っている。

モザン美術のほぼ確実な一例

リエージュの冠は、宝石で飾り柏の葉を型押しした花形装飾板8枚からなり、それぞれの間には天使の小像が配されている。各花形装飾板の中央にくぼみが掘られ、そこに聖遺物が収まっているが、その内容は天使が手にする巻物の銘文から判明する。型押しや透かし彫りといった金工細工の精緻さ、花形の装飾、および彫像からの影響のために、本作品は長い間、パリで制作されたものと言われてきた。しかしながら、13世紀のパリの金銀細工に影響を受けただけで、実はモザン美術の作例のようである。実際、天使の小像は13世紀第3四半世紀のパリあるいはランスの作品に影響を受けているが、やや「地方的な」特徴も見受けられ、衣襞の穏やかさは、柏の葉の装飾と同様、地方の工房の作であることを示す。このようにリエージュの冠は、パリで完成し別の場所で独自に取り入れられた、新しい様式の伝播を例証している。

出典

Verlet Pierre, La Couronne de saint Louis, Bulletin des musées de France, novembre 1947, pp. 14-17.

RP Denis, Un chef d'oeuvre de l'orfèvrerie mosane au musée du Louvre, Bulletin du Vieux Liège, n 162, tome VII, juillet-septembre 1968.

作品データ

  • 冠型聖遺物箱《リエージュの冠》

    1260-1270年頃

    ベルギー、リエージュ、ドミニコ会修道院

    ムーズ地方

  • 銀に金鍍金、型押し、宝石、水晶〔ロッククリスタル〕

    直径21cm

  • ザクセン公コレクション旧在、1947年収蔵

    OA 9445

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ジャンヌ・デヴルー
    展示室3

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

天使が手にする巻物上の銘文:le ligno... - de corona Dû - Ioh Bapt. Mar. Magd. - de Martirib. - De virginib - De côfess. - De apostoli. - De lancea Dû.