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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>向かい合う鳥の水差し:クーフィー書体の銘文
作品 向かい合う鳥の水差し:クーフィー書体の銘文
工芸品部門 : 初期中世
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向かい合う鳥の水差し:クーフィー書体の銘文
© 1982 RMN / Peter Willi
工芸品
初期中世
サン・ドニ修道院宝物室には、金具を取り付けた飾石製の壺が数多く収められていた。本作品もそのうちの1つで、ファティマ朝〔10-12世紀に北アフリカを治めたイスラム教徒の王朝〕の工房で制作された水晶〔ロッククリスタル〕製の壺に、イタリアで作られた金の線細工による蓋が取り付けられている。この作品から、10、11世紀におけるカイロの水晶細工工房の妙技と、サン・ドニ修道院宝物室の豊かさがうかがわれる。
サン・ドニ修道院宝物室
1122年から1151年までサン・ドニ修道院長であり、国王ルイ6世とルイ7世の顧問でもあったシュジェールは、聖ドニを「フランス国王の特別守護聖人にして王国の保護者」とした。彼はサン・ドニ修道院の再建を指揮し、修道院をステンドグラスで飾らせ、財宝で満たした。こうして修道院を豊かに飾ることは、ネオプラトン主義の考えに基づいている。この考えによれば、輝かしく洗練された物は、人々が物質的なものから非物質的なものへと昇華するのを助けるという。修道院宝物室に収蔵されていた品々は、フェリビアン〔18世紀初めにサン・ドニ修道院史を現した人物〕の版画や、ブレーズ・ド・モンテスキュー=フェザンサック〔17世紀前半にサン・ドニ修道院宝物室に関する書物を著した人物〕の作品、および1634年の宝物室目録から知られている。シュジェールの注文による壺のうち4点だけが現存する。1点はワシントンのナショナル・ギャラリーにあり、他3点はルーヴル美術館にある。
ファティマ朝の水差し
この水差しは、非常に透明な水晶の塊をごく薄く彫ったものである。縁を横から見ると斜めになっており、上部は平らで、注ぎ口が突き出している。首の部分は細い刳形2本で飾られる。洋梨形の腹部には浮彫りがほどこされている。最上部にはクーフィー書体の銘文が見えるが、これは所有者への献辞である。他の部分は生命の木を中心として左右対称に分かれる。幹が伸びたその先端はパルメットになっている。両側には2羽の鳥が配され、首の部分を菱形のモチーフでパルメットにつながれている。1576年に水差しの腹部は割れ、18世紀にはそこからひびが入った。現在は6つの破片を継ぎ合わせてある。この壺は、他の水差しと共に一連の作品としてまとめられる。他の作品とは、フィレンツェのパラッツォ・ピッティにある1点、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院宝物室にある2点、フェルモ大聖堂の1点、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館の1点である。実際に、これらは同じように装飾され、どれにも所有者への献辞が入っている。これらは10、11世紀にカイロの水晶細工工房で作られた作品で、ファティマ朝の水晶細工作品の中でも特に斬新なものである。
イタリア製の蓋
小さな金の蓋は、楯形紋章を想わせる注ぎ口の形にぴったりと合っている。大きく突き出した中央部には、数多くの粒状の飾りが溶接されている。周囲は、よじった金線で6つの部分に区切られている。先端部の線細工はシュジェールの金細工師の作品に近い。しかし脇の部分の線細工は異なり、「極細タイプ」である。中ほどに線細工の雛菊のモチーフがあるが、ヴェレトリの十字架(ドゥオモ美術館所蔵)と、デオルのある修道院長の墓から発見された指輪(シャトールー美術館所蔵)に同じものが見られる。これら2作品と比較することにより、この蓋をイタリア南部の金銀細工師の作と同定することができる。おそらくこの水差しは、シュジェールがシャンパーニュ・ブロワ伯ティボー・ド・シャンパーニュから受取ったものだろう。この人物はシチリア王ルッジェーロ2世からこの品を入手している。
出典
Le Trésor de Saint-Denis, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1991, p. 163-166.作品データ
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向かい合う鳥の水差し:クーフィー書体の銘文
水晶:10世紀末-11世紀初め; 蓋:11世紀
サン・ドニ修道院宝物室旧在
水晶:ファティマ朝美術; 蓋:イタリア中部または南部
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水晶〔ロッククリスタル〕、金の線細工
高さ24cm、幅13.5cm
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1793年ルーヴル美術館に寄託
MR 333
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リシュリュー翼
2階
シュジェール
展示室2
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
