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作品 壁掛け連作《スキピオの物語》より《ザマの戦い》

工芸品部門 : 17世紀

壁掛け連作《スキピオの物語》より《ザマの戦い》

© 2011 Musée du Louvre / Philippe Fuzeau

工芸品
17世紀

執筆:
de Ribou Marie-Hélène

このタピスリーは壁掛けの最後、10枚目である。この壁掛けのカルトン(下絵)は、王室調度品保管所に収蔵されていたブリュッセル製の壁掛け連作を模して、フランソワ・ボンヌメールが制作した。このブリュッセル製の壁掛け自体が着想を得たのは、1535年にフランス王フランソワ1世へ納められた、スキピオの武勲を主題とする一大壁掛け連作からである。ルーヴル美術館には8点が展示され、他2点は国有調度品保管所のコレクションが所蔵する。

戦いの場面

この場面は、ティトゥス=リウィウスの『ローマ建国史』(第30巻33章4–16)の第二ポエニ戦争の物語を出典とし、スキピオ率いるローマ軍とカルタゴ軍が対峙した最後の戦いを表している。カルタゴ軍の最前線に配置された像が、ローマ軍に向かって突進し、兵士や馬を蹴散らしている。左側では、トランペットとホルンの音におびえた一頭の象が自分の陣営に逆戻りしている。前景では星模様の青いマントをまとったスキピオが部下たちを率い、槍と剣を振り下ろして敵を撃退するよう彼らを鼓舞している。
両側と下部の縁どりには、小動物をあしらった花と果物からなる幅広の花輪飾りが施され、中では子供たちが跳ね回っている。上部は簡素なアーキトレーヴで、これはおそらく最初の注文主サン=タンドレ元帥の求める寸法に合わせるためだろう。同元帥の紋章は上部の隅を飾っている。

美術史上の価値

フランソワ1世は、スキピオ・アフリカヌスの武勲と勝利を描いた22点の壁掛け連作を所有していた。きわめて緻密に織られ、金糸をふんだんに使用したこの「大スキピオ」は評判を呼び、何度も模作が作られた。サン=タンドレ領主にして1547年より国家元帥となったジャック・ダルボンは、おそらく1558年頃に武勲を描いた《スキピオ物語》10点をブリュッセルに注文したが、そのうち6点は同王所有の壁掛けを模したものである。これらの作品は17世紀にマザランのコレクション、ついでルイ14世のコレクションに加わる。17世紀末には宰相ルーヴォワが、王室調度品保管所が所蔵するルネサンス時代の他の壁掛けと合わせて、ゴブラン製作所に模作をつくらせた。こうした作品はフランス革命下に売却され、現在は散逸してしまった。フランソワ1世の壁掛けの方は、貴金属を回収するために王室調度品保管所の他の壁掛けとともに1792年に焼かれてしまった。
この「模作」は国有コレクションとして保存されたおかげで、失われてしまった有名な壁掛けを、一部分とはいえ比較的忠実に伝えるものである。

斬新な構図

この壁掛けの図案の大半はジューリオ・ロマーノの作とされる。この画家はイタリアで大掛かりな装飾を手がけ、タピスリーの図案も描いていた。彼の協同制作者ジャン・フランチェスコ・ペンニが下絵画家用の小型下絵を制作した。ルーヴル美術館には、ジューリオ・ロマーノによる勝利の場面の素描と武勲の場面に関連した習作が数点保存されている。
《ザマの戦い》のタピスリーの構図は独創的で、同時に大胆である。伝統的に、戦いの場面は側面からみた戦場の混乱として描かれるものだった。ここで画家は敵が見る者に向かって進む様を描き、鑑賞者をローマ軍の前衛部隊と同じ面に置くことで、戦いの世界に導き入れている。

出典

Jules Romain. L'Histoire de Scipion. Tapisseries et dessins, Paris, Galeries nationales du Grand Palais, 1978.

LEFEBURE Amaury, La galerie de Scipion, feuillet Louvre 6 27

LEFEBURE Amaury, "La Bataille de Zama, tapisserie d'après Jules Romain", in Carthage, l'histoire, sa trace et son écho, Paris, Galeries nationales du Grand Palais, 1995, pp.164-169.

作品データ

  • ジューリオ・ロマーノ(図案)、フランチェスコ・ペンニ(小型下絵)、フランソワ・ボンヌメール(ゴブラン製作所のカルトン)

    壁掛け連作《スキピオの物語》より《ザマの戦い》

    1688−1690年

    王室調度品保管所コレクション、ついで国有調度品保管所コレクション

    パリ、ゴブラン製作所

  • 横機のタピスリー、羊毛と絹

    縦4.35m、横7.40m

  • 1901年、国有調度品保管所より分与

    OA 5394

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    スキピオのギャラリー
    展示室20

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

ブリュッセルの壁掛けの模作、サン=タンドレ元帥の紋章入り