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壺 一対

© 1990 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
19世紀

執筆:
Barbier Muriel

アンリ・ナストとフランソワ・ナストの兄弟は、1817年に没した父親からナスト製陶所の経営を引き継ぐ。古代ギリシアのアンフォラの形から着想を得たこの壺2点は、同製陶所の各工房が達した完成度を示している。その完成度はセーヴル製陶所に匹敵するもので、同製陶所所長アレクサンドル・ブロンニャール(1770‐1847年)にとっては頭の痛いことだった。

評価の高い図案

この一対の壺の図案は1819年の産業博覧会に出品され、『産業会報』の版画図版に再録されている。その時点では浮彫装飾のある白い品だった。1823年の博覧会で同製陶所は改めて同種の壺を出品している。ルイ18世はこの博覧会で、ルーヴル所蔵の品によく似ているが、それぞれ「イタリアの風景」と「トラジメーノ湖の風景」で飾られた壺2点を購入した。ルーヴル美術館所蔵の一対は、作者一家のもとに残っていた。これらの壺の形は、アンフォラが脚に載り、有翼の女性を象った取っ手がついたものである。この非常に優雅な形は古代美術から着想を得ている。

完成度の高い装飾

この壺2点はナスト兄弟の芸術の精髄である。赤紫の地に幾何的な飾枠が浮き上がって見える。飾枠の中には、一方には「建築の起源」が、他方には「コリント様式の柱頭の起源」が描かれている。この2点の絵は、1800‐1802年にシャルル・ランソネットが版画を制作した、ジャン=ヴィクトール・ベルタンの作品に着想を得ている。これは新たな古代文明への関心を物語る。この質の高い絵画装飾に添えられた厚い金装飾は、光沢のある部分と艶消しの部分が効果をあげ、起伏を際立たせている。この金装飾は、ブロンズ装飾を模したものである。この絵付けと金装飾の質の高さ、絵画と金の装飾の組み合わせ、そして他の部品を加えないところにナスト兄弟の様式の特徴が現れている。

ブロンニャールの激怒

この完全に磁器だけでできた壺は、技術的な快挙である。難しい取っ手部分にすら、ナスト兄弟はブロンズを使おうとはしなかった。壺をすべて磁器で制作するというナスト兄弟の意欲は、1800年よりセーヴル製陶所所長を務めるアレクサンドル・ブロンニャールを怒り狂わせた。セーヴルではまだ、この大きさの壺を金めっきしたブロンズの金具なしでは制作できなかったからである。そのうえブロンニャールは、国王ルイ18世がナスト兄弟からこの種の壺を購入したのを見て憤慨した。ブロンニャールにしてみれば、王が王自身の保護する施設以外で品物を仕入れる必要はないのである。それでもルイ18世は、王立製作所に対するこういった「不貞」をやめることはなかった。

出典

- Dernières acquisitions du département des Objets d'art du Louvre 1990-1994, Paris, 1995, pp. 262-264.

- Un Âge d'or des arts décoratifs 1814-1848, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1991, pp. 144-145.

- D'Après l'Antique, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2000, p. 8.

作品データ

  • ナスト兄弟製陶所

    壺 一対

    1820年頃

    少なくとも1900年までナスト家が所蔵

    フランス、パリ

  • 硬磁器

    高さ71cm、幅31cm

  • 1990年、ルーヴル友の会より寄贈

    OA 11267, OA 11268

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    クロード・オット
    展示室77

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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