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作品 奉納用浮彫

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

刻字によるとこの石碑は、紀元前5世紀末、ソシッポスがテセウスに献呈したものである。浮彫は、英雄崇拝に特徴的な高さの低い葬祭用祭壇の周りで繰り広げられる、ある崇拝の場面を物語っている。彼の息子に伴われたこの奉納者は、アテナイの伝説的建設者テセウスに挨拶の身振りを交わしている。この作品の中で実際よりも大きく表されたこの英雄は、アテナイではアテナイ人の父、そしてその市民共同体を創設者した先祖のように崇拝された。

テセウスに捧げられたソシッポスの奉納品

フィリップ・ル・バは1845年のギリシア、小アジアの考古学探索旅行の祭この石碑を購入した。それは、この作品が五年前にアテネにて発見された後の事であった。この浮彫の上部には二つのギリシア語刻字が存在する。一つは、アテナイの都市の伝説的創設者テセウスの名、もう一つはこの作品の奉納を記念するものである。そこには「ノウアルキデスの息子、ソシッポスが(この記念碑を)献呈した。」と記載されている。この浮彫はこの奉納者により、テセウスに捧げられた崇拝の念を物語っている。二人の人物は、英雄崇拝に特徴的な高さの低い葬祭用祭壇の両側に描かれている。このアテナイの英雄は、実際よりも大きく、裸体でピロスを被りその上に手を置いた姿で表現されている。彼はおそらく以前、絵の具で描かれていた、左腕の下の襞を支える杖に、寄りかかっていたように思われる。ソシッポスはこの出会いに前進し、右手は上げられ挨拶の身振りを表している。彼の息子であろう幼い少年が、マントにぴったりと覆われた姿で祭壇の近くにて父に付き添っている。

クラシック時代の奉納用浮彫

この浮彫は紀元前5世紀の最後の十数年にあたるクラシック時代に制作された。それはパルテノン神殿を装飾した浮彫彫刻、その中でも特に三十年から四十年前に制作された大パンアテナイア祭のフリーズの伝統に沿っている。この場面は、この神殿の東側のアテナに向かって行進する女工と神官の行列を手本とし、おおいなる簡素さの跡を留めている。パルテノン神殿のようにこの石碑のこれらの人物は、無地の背景から切り離されている。彼らの容貌と衣紋の加工は、クラシック時代の同じ美的感覚を明らかにする。

テセウスにまつわる英雄崇拝

紀元5世紀、テセウスは、アテナイの市民宗教にて重要な位置を占めていた。伝説によるとテセウスは、アイトラとアテナイの王アイゲウスの息子であった。父の死後彼は、アテナイの都市の異なった部落を結合させ、シノイキスモスと呼ばれる方法により政治のまとまりを確保した。クラシック時代、都市の建設者たちは、英雄のように称えられた。そのことからテセウスまつわる英雄崇拝が設けられ、そして彼の墓にて儀式がとり行われた。彼の骸骨は紀元前464年頃、キモン将軍にてスキロス島に返還された。テセウスは、アテナイ人の父、そしてその市民共同体の先祖のように崇拝された。

出典

Hamiaux (M.), Les sculptures grecques, I, 2e édition, Paris, 2001, p. 142, n 135

作品データ

  • 奉納用浮彫

    紀元前400年頃

    アテナイ、ギリシア

    アッティカ

  • 薄浮彫、ペンテリコ産大理石(アッティカ)

    高さ59cm、幅58cm

  • フィリップ・ル・バ調査隊、1845年購入

    テセウス崇拝の場面

    N° d'entrée LP 2647 (n° usuel Ma 743)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

ギリシア語で記載された献辞:テセウス。ノウアルキデスの息子ソシッポスが(この石碑を)献呈した