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作品 女性の肖像ミイラ

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

女性の肖像ミイラ

© 2007 Musée du Louvre / Christian Décamps

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Roberta Cortopassi

若い女性の肖像画は木の板に彩色したもので、ミイラを巻く細布で固定されている。きわめて丁寧に巻かれた細布は、平行四辺形を形成し、守護的な意味合いを持つ網細工の網目を模倣したものと考えられる。胸部には、黒インクで書かれたギリシア語の銘が入っている。肖像画では、オシリス神となって永遠の若さを享受した死者が若々しい顔で表されているが、X線検査の結果から、遺体はそれに反して40歳代の女性のものと推測されている。

女性の肖像画

顔面は、薄い灰色のバックから浮き出ている。目は観閲者を見つめ、口は小さく、鼻は大きく丸く隆起しており、髪は後ろに結わえられて、きわめて大きい耳をあらわにしている。三つ編みにされた髪は、巻きつけられて冠のように頭を飾っている。耳飾りは、小さな環とその下にぶら下がっているひし形の飾りでできており、ひし形の飾りの中央には小さな赤い石が、先端には真珠が付いているのが見える。石がいくつも連なった首飾りは、絵師によって見事に描かれている。長細い緑色のエメラルド、長方形の黄色いトパーズ、赤色の丸いガーネット、そして金色のビーズが規則正しく並んでいる。
女性は、緑色のクラヴィ(縦長い細い帯)が入った紺色のチュニックを着用しており、黒と白の三角で飾られた襟ぐりは、同じチュニックか、その下に着ているチュニックのものと思われる。バラ色のコートは片方の肩を覆っている。

ギリシア語で別れの挨拶

ギリシア語で書かれた銘、「ΕΥΨΥΧΙ ΕΥΔΑΙΜΟΝΙ」の解釈については、著述家たちの間で意見が分かれている。ある者は「さらば、お幸せに」と挨拶が二つ続いたものと解釈し、またある者は「さらば、ユダイモンよ」と挨拶の後に死者の名が書かれたものではないかと解釈している。地味な髪型は、ハドリアヌス皇帝時代(紀元後117-138年)の典型的な髪型であり、年代特定の一つの手がかりとなっている。

精巧に作られたミイラ

ミイラの直線的な形は、遺体と外側の細布の間に長方形の木の板を挿入して得たものである。確かに、体の上で菱形がぴったり重なり合い、足の上では正方形をなすように外側に細布を完璧に巻きつけるためには、このような形が必要である。
肖像画が描かれている木製の板は、アンティノポリス出土の肖像画の特徴である「肩に沿った」切り取り方がなされている。肖像画の木が鋸で切られた跡が、首の横の薄い灰色のバックの上にはっきり残っている。蝋を主成分とした結合剤を使用しているので、この技術の特徴である厚塗りになっている。

出典

- BOURGUET P. (du), L’art copte, Petits guides des grands musées n° 19, Paris, 1980, fig. p. 2.

- DOXIADIS E., Portraits du Fayoum. Visages de l’Egypte ancienne, Paris, 1995, n° 92 p. 150 et 217.

- DUNAND F., LICHTENBERG R., Les momies, un voyage dans l’éternité, Découvertes Gallimard n° 118, Paris, 1991, p. 36.

- PARLASCA K., SEEMANN H., Augenblicke, Mumienporträts un ägyptische Grabkunst aus römischer Zeit, catalogue de l’exposition, Francfort, Schirn Kunsthalle, 30 janvier-11 avril 1999, n° 182.

-  WALKER S., BIERBRIER M., Ancient Faces. Mummy portraits from Roman Egypt, catalogue de l’exposition, Londres, British Museum, 1997, n° 99.

作品データ

  • 女性の肖像ミイラ

    後2世紀

    アンティノポリス出土?

  • 木板に蝋画、亜麻布

    高さ1.58m、幅0.30m、奥行き0.26m

  • AF 6882

  • 古代エジプト美術

    ドゥノン翼
    地上階
    ローマ支配時代のエジプト 葬礼美術
    展示室A

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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