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作品 女性の肖像画、通称《ヨーロッパの女性》

古代エジプト美術部門 : ローマ支配時代のエジプト(前30年-紀元392年)

女性の肖像画、通称《ヨーロッパの女性》

© 2009 Musée du Louvre / Georges Poncet

古代エジプト美術
ローマ支配時代のエジプト(前30年-紀元392年)

執筆:
Cortopassi Roberta

若々しい顔が、青味がかった灰色のバックから浮き出ている。ほぼ正面向きで、ひっつめ髪の整った生え際の線や、金の丸いヘアーピンで頭頂に留められた半円を描く三編みは、完璧な卵形の顔を強調している。真珠のようにつややかな肌の色は、バラ色のハイライトを小さいタッチで並列させて描かれている。大きい目は右の方を見つめており、生き生きとした視線は、両目に入った白い点で表現されている。真珠の首飾りをつけたきゃしゃな首は金箔で覆われて隠されている。

魅力的な顔

若い女性は鑑賞者を直視せずに右側を見ている。このような表現は「ミイラ肖像画」では稀にしか見られないが、確かに、顔に魅力を与えている。赤紫の貫頭衣と黄色のコートを着用し、大きいエメラルドがはめ込まれた丸いブローチで留めている。大きい真珠二個と、その間にはさまれた黒っぽい石から構成された耳飾が、突き出して尖った大きめな耳を飾っている。三編みは、金の丸いヘアーピンで頭頂部に固定されている。研究所が行った分析の結果、首の金箔の下に、シンプルな真珠の首飾りが描かれていることが判明した。

不死の象徴、金

元来、長方形であった肖像画の木の板は、葬祭で使用される際に、アンティノポリス独特の技術と思われる「肩沿い」切り取り法(肩のラインに沿って板を切り取る)で、ミイラの形に合わせて切られた。また小さい正方形の金箔は、卵形の顔面にはかぶさることなく、首、および衣装のところどころに施されている。太陽の輝きにも似た光を発する金は、魔術的な力があるとされ、不死を象徴する。「ミイラ肖像画」では、金箔は頭部周辺の灰色のバックや、化粧漆喰でできた額や、この作例のように首を隠すために施されている。しかしながら、故人の個性を保つためにも、顔を覆うことは決してなかった。

例外的な技術

この肖像画には、エジプトに輸入されたレバノンスギの板が使用され、黒い下地の層の上に蝋画の絵具層がのせられて描かれている。絵師は、蝋の濃度をうまく活用し、顔面の肉付け、眉の曲線、髪型を、細かいタッチを並列させて表現している。また睫毛は、絵具の層に先が尖った硬い道具を用いて刻みを入れ、黒い下地が見えるようにして描いている。

出典

- AUBERT M.-F. , CORTOPASSI R.,  Portraits de l'Egypte romaine, catalogue de l'exposition, musée du Louvre, 5 octobre 1998-4 janvier 1999, Paris, 1998, n 80.

 - DOXIADIS E., Portraits du Fayoum. Visages de l'Egypte ancienne, Paris, 1995, n 86 p. 114 et 213.

- MICHALOWSKI K., L'art de l'ancienne Egypte, Paris, 1968, p. 338, fig. 756.

- Art copte, catalogue de l'exposition,  Petit Palais, 17 juin-15 septembre 1964, Paris, n 26.

作品データ

  • 女性の肖像画、通称《ヨーロッパの女性》

    後120-130年

    エジプト、アンティノポリス(アンティノエ)

  • レバノンスギに蝋画と金箔

    縦42cm、横24cm、厚み1.2cm

  • 1952年、購入

    MND 2047 (P 217)

  • 古代エジプト美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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