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作品 子山羊を抱く小像

古代オリエント美術部門 : イラン

子山羊を抱く小像

© 2008 RMN / Franck Raux

古代オリエント美術
イラン

執筆:
Annie Caubet, Arnaud Prévotat

この金製の礼拝者像は、スーサのアクロポリス(共同墓地)で、都市の主神であるインシュシナクを祀る神殿の近くで、他の多数の貴重品(ラピス・ラズリ、紅玉髄、瑪瑙(めのう)、金、銀)と一緒に隠し場所の中から出土された。素材から、この場合には金からして、また衣装と髪型の細部からして、表現された人物はおそらく王である可能性が高い。

貴重な彫像

この人物は、底面に枘(ほぞ)がある長方形の小台座の上に立ち、それを置き台に固定できるようにしてある。彼は祈りの仕草として右手を上げ、頭に斜めの角のある小型の山羊を左手にもち、寄進者の手の上に姿を現わす。彼は房飾りで縁取りされた口の広がったローブを着て、そこから靴を履いて揃えた両足を覗かせる。スカートには、無数の斑点が刻まれた散らし模様で飾られる一方、衣紋(えもん)をつけたベルトの上方には、肘で止まる袖付で体の線を表した胴着は、バラ模様で飾られている。エジプトに反して近東では、たとえ文献に記述があるとしても、豪華な織物の残存物の保存は稀であったので、この小像はこれらの失われた技術の証拠をなす。人物の頭部は、とても丹念に鋳造され彫り直しされている。顔は穏やかで、厚い眉の下の大きな楕円形の眼は、鼻梁の上で弓形になって結びつく。頬までもちあげられた鬚は、胸の上で水平に切られ、ウエーブがかかって垂れ下がる。交差線影の模様が施された短髪の椀型帽子状(キャロット)の髪型は、額に下がり、また後頭部を膨んだ状態で包み込んでいる。王冠状の組み紐(ひも)が頭を締めている。

秘宝

通称「黄金彫像の掘出し物」と呼ばれる秘宝は、インシュシナク神殿の近くのジッグラト南正面の前のアクロポリスに位置する釉煉瓦製の舗道の下で、「狭い空間の中」に隠された状態で発見された。発掘状況は、いくつかの問題点が残されたまま、掘出し物の詳しい目録が漏れている。この掘出し物には、黄金の彫像の他に、動物の骸骨-生贄(いけにえ)の残骸(?)、石灰岩製の戦車の巻き枠、礼拝する信者を表したファイアンス(軟陶)製小像9体、金製彫像の厳密なレプリカ(模作)の銀製彫像1体、金製鋲で鋲打ちされたラピス・ラズリ製の鳩、ラピス・ラズリ製の牡牛をかたどった下げ飾り、金銀線細工で飾られた獅子頭を表す金製の柄が付いた砥石(といし)、キャスターに載せられた石灰岩製の動物小像(伏せた獅子とハリネズミ)2台、最後にさまざまな形の紅玉髄と瑪瑙の飾り玉などが挙げられる。この一連の解釈は、問題点を多く含んだままである。いったいそれは、インシュシナク神殿に関与した定礎埋蔵物であるのか、同神殿への奉納物であるのか、それとも略奪された王墓の調度品であるのだろうか。

豪勢な供物(くもつ)

スーサではメソポタミアのように、とりわけ信心深い行為は、神々へ供儀(くぎ)または食料の供物を納めることであり、そして信者自身を表現する小像を納めることによって、その行為の記憶を永遠に保存することである。これらの小像は、最も安価なものとしてテラコッタ製があり、さらに珍しいものとして陶器製あるいはブロンズ製がある。エラム中王国時代から到来したものの中でも、これほど豪華な像は全くない。それらの衣服には、装飾や房飾りがなく、額の上で厚い塊にする同じ仕方で切られた髪型には、組みひもの冠を被っていない。ここでは、貴金属の選択から、また髪型と衣装の複雑さのような人物像の威厳さから、むしろ供物を運ぶ者として表された王と同一人物であるらしいと思わせる。

作品データ

  • 子山羊を抱く小像

    エラム中王国時代、紀元前14世紀頃

    イラン、スーサ、アクロポリス遺丘

  • 金、銅

    高さ7.5cm、幅3.4cm

  • 1904年、ジャック・ド・モルガン発掘

    Sb 2758

  • 古代オリエント美術

    シュリー翼
    1階
    イラン、中エラム時代のスシアーナ:紀元前1500‐紀元前1100年頃
    展示室10

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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