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作品 宰相パセルの名を刻んだ水差し

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

宰相パセルの名を刻んだ水差し

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Christophe Barbotin

このエジプトファイアンス製の水差しは、原則的には筆を水に浸すために作られたが、それ以外に、ラメセス2世治世下初頭の上エジプト行政の長、宰相パセルへの服従を表すものとしても用いられていた。職務に忠実な書記は、神からの報酬と引き換えに、自分の上司のために食事の呪文を唱えなければならなかった。

報酬と引き換えに敬虔な行い

この円錐台形をした水差しは、縦1行と横3行に刻まれたヒエログリフで装飾されており、インクを薄めるために使用されていた。しかしそれ以上に重要な用途として、書記が仕事にかかる前に、少量の水を注ぎながら、ラメセス2世治世下初頭の宰相でテーベの長でもあったパセルのために、食事の呪文を唱えたとされている。この水差しを使用する書記たち全員は、水を(献水として)少量注いでから、「王が、貴族である閣下、二国の偉大なる侍従頭、この都市の長である宰相パセル様に、数え切れないほど多くのパンとビールを捧げることに同意なさいますように」と呪文を唱えれば、トト神、セシャト女神、そして「祈りを聞いてくれる最愛の神」から優遇されるだろうと記されている。この種の文に頻繁なことであるが、唱える人に何らかの報酬、ここでは神からの恩恵を期待させ、心を刺激するものであった。

神々と宰相

ここで言及されている神々のうち、思いやりをもって祈りを聞き入れてくれるアメン・ラー神を指していると思われる「祈りを聞いてくれる最愛の神」を除いて、「ヒエログリフの守護神」であるトト神とその秘書であるセシャト女神は書物と文字の専門家としてよく知られている神である。よって書記たちが、エジプト南部の行政のトップの座に付いていた上エジプトの宰相パセルより、この神々に祈りを捧げるのは当然なことであった。エジプト行政は本質的に書記のみで成り立っていたので、神にとって上官に服従する役人ほど喜ばしいものは無かったにちがいない。

出典

L'inscription dit : "Que tout scribe sur le point d'écrire en se servant de ce godet fasse une libation (verse quelques gouttes au sol) en disant : une offrande de mille pains et bières au ka de Son Excellence... le vizir Paser."

作品データ

  • 宰相パセルの名を刻んだ水差し

    第19王朝、ラメセス2世治世下(前1279-前1213年)

  • ケイ酸質のファイアンス釉薬

    高さ4cm、直径6cm

  • 1868年に旧ルセ・ベイ・コレクションから購入

    E 5344

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    写本と写字生
    展示室6

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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