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寓意的装飾列の杯

© 2011 RMN / Franck Raux

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

ルーヴルの杯は、ほうろう・金鍍金加工を施した青ガラスでできており、ムラーノの職人、おそらくアンジェロ・バロヴィエル(1496年に死亡)の工房、の作品である。バロヴィエルはほうろう加工(七宝製品)の技術をその全盛期へと導いたガラス工である。意匠はペトラルカに着想を得た寓意的装飾列を示している。この作品は15世紀全般にわたって、ムラーノのガラス工たちが発展、完成させた、一塊の同一素材に色付けをするガラスの制作を代表する作品である。

ほうろう・金鍍金加工を施した色ガラスの杯

ルネサンス期に、ヴェネツィア、特にムラーノでは、吹きガラスの技術が非常に高い水準に達した。とりわけアンジェロ・バロヴィエル(1496年に死亡)がそれを煽るかたちであった。1450年頃、彼はクリスタッロと呼ばれる非常に純度の高いガラスを創り出すことに成功した。この技術では、ガラス化をじゃまする不純物を素地から取り除く。バロヴィエルはまた、ガラスを一塊に均一に色付けすることによって、特に見事な色の効果を得た。紺青色の『寓意的装飾列の杯』は、この技術で制作された。ガラスに色を付けるのに使われた金属酸化物は、コバルトである。このまるでサファイアのような青色は、焼成の際に付着させる、ほうろうを引いて金鍍金を施した装飾で飾られており、この手法によると、ガラスが少しやわらかくなり、ほうろうと素地が融解するのが促される。この可融性のほうろうが施されたガラスの制作は、15世紀後半のムラーノの工芸のもっとも重要な要素の一部であった。

結婚の杯

ルーヴル美術館にはよく似た形の青ガラスの杯が4点収蔵されている。長い畝状の脚が、杯の円状の胴体を支えている。これらの杯は結婚式の際に贈り物として使われたもので、式の最中に新郎・新婦がそれを交換し合う習慣であった。ムラーノのガラス工芸博物館にもよく似た杯が1点保存されている。そちらは、騎馬の女性たちと若返りの泉、そして2枚のメダイヨンの中に、男性と女性の横顔を表した、フリーズで飾られている。ルーヴルの作品は、ペトラルカの『勝利』から着想を得た若い人物像の列に飾られている。『勝利』は、欲望、純潔、栄光、死、時、そして来世に捧げられた寓意的な詩である。通常、結婚の杯には新郎・新婦の横顔のメダイヨンが施される。このルーヴルの作品に関してはその例ではない。しかしながら、これがやはりその種の結婚の杯であった可能性もある。

アンジェロ・バロヴィエルの工房の作か

アンジェロ・バロヴィエルは15世紀後半にムラーノでガラスにほうろうを引く技術の職人であったと考えられている。しかしながら、彼の人生や作品についての情報を得るのは困難である。がしかし彼がガラス工芸に新しい技法を導入した、ということは分かっている。その技法によりほうろうを引き、金鍍金を施した色ガラスの製品を制作することが可能になった。一方、この技術革新のおかげで、バロヴィエルは、ヴェネツィア人にとってめったにない特権を与えられた。外国に旅をする許可と、一年のうち好きなときに仕事をする許可である。ムラーノのガラス工芸博物館の杯はずっとバロヴィエルの作品であるとされてきた。ルーヴルの作品は、彼の工房で制作された可能性がある。

作品データ

  • アンジェロ・バロヴィエルの工房(?)

    寓意的装飾列の杯

    1480-1500年頃

    イタリア、ヴェネツィア

  • ほうろう・金鍍金加工の青ガラス

  • 1922年、サロモン・ド・ロスチルド男爵夫人の遺贈

    OA 7564

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ソヴァジョ
    展示室18

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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