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射手のフリーズ

© 2010 RMN / Franck Raux

古代オリエント美術
イラン

執筆:
Prévotat Arnaud, Caubet Annie

彩釉煉瓦製のこの装飾は、槍や弓また矢筒をもつ男の軍人を思い起こさせるが、《不滅の軍隊》と歴史家ヘロドトスに名づけられたダレイオス1世の近衛兵であろうか、それとも古代ペルシア人民の理想像であろうか。 装飾技術は異なるが、おそらくこれはバビロンの煉瓦装飾から着想を得ているものである。ともすれば、これは施釉ケイ素質煉瓦の出現を見るエラム中王国時代の遺産であるかも知れない。

行列行進

射手のフリーズは、右方もしくは左方に行進する射手の行列を表現している。彼らは両手で槍の柄をおさえ、肩から両先端にアヒルの頭を象った弓とまた矢筒を下げ、ゆっくり行進する姿で描かれている。ひもを結わえたボティーヌを履いて前進する足の上に、槍の先端を上方へ垂直に保ちながらその石突きを支えている。飾紐で縁取られたペルシア風の大きな衣装を身につけ、それは脚のところでひだを寄せ、幅広い袖がベルトの方に曲線を描いている。鬚(ひげ)を生やした彼らは、うなじの部分で密になる分厚い巻き毛に葉飾りの鉢巻で抑えた髪形を結っている。それぞれの煉瓦は、ケイ素質の素地の中で型抜きされているが、煉瓦の表面が長方形であるのに対し、本体はわずかにV字の楔形をして後方へ向かい薄くなっている。そうすることにより、装飾された表面の並置の間隔をきっちり詰めながら、裏面につなぎ用のモルタルにスペースが残せるよう工夫されている。装飾は浮彫と彩色の組合せで、そこには緑、褐色、白そして黄色を用いて、ケイ素質の素地の薄い隔膜によって仕切られている。

エラムの遺産?

この装飾は、確かに王ネブカドネツァアル2世(604-562年)によって実現された、バビロンの行列の道から着想を得ている。そこでの技術は異なり、バビロンの職人たちはケイ素質の素地ではなく、粘土質の素地でできた煉瓦を用いている。記念碑建築における彩釉煉瓦の使用は、イスラム文化時代にイランでは盛大に後世にもたらされる。ダレイオス王によって創出された芸術家たちは、ことによると、早くも2千年紀末から、また新エラム時代にスーサで開発された技法を再び活性化したと考えられる。

《不滅の軍隊》?

スーサの最初の発掘者であるイギリス人のW=K・ロフトスがアパダーナの主要部分の位置を割り出したにしても、彼は施釉煉瓦装飾のパルメット紋やロゼット紋の孤立した模様しか識別できなかった。マルセル・デューラフォアが踏査を再開すると、彼はルーヴルに展示するにあたり十分に説得力があるその復元に要するかなりの量の煉瓦を発見した。そこで射手を表す2枚のパネルが、防御壁の横長の上部装飾と一緒に装飾模様が施された枠組の中に復元されたが、その上部装飾はペルセポリスとナクシェ・ロスタムの岩窟墓のファサード(外壁を飾る浮彫模様)から着想を得たものである。中央には、銘が入った珍しい煉瓦が配置された。そこには今もって確かにダレイオスの名前が読みとれる。次いで、射手が単独パネルに張り付けられた。獅子のフリーズが宮殿東側の中庭で本来の位置からその足元に落ちた状態で発見されたのとは違って、アパダーナの発掘で射手のフリーズの無数の要素がほとんど至る所で回収されたが、厳密にはそれがどこに位置していたのか知られていない。それら要素の数量からして、仮説を立てることが可能である。例えば、射手たちはバビロンでされたと同じように半均等に割り当てた壁に非常な高さで幾段にも配置されていたかも知れない。そのとてつもない一群が提起する問題は、むしろその解釈にある。これは王の1万人の定員を保持した精鋭の近衛兵である《不滅の軍隊》であろうか。それとも、ダレイオス1世の厳しい監督下に統一された帝国の構成要素をなしていた、エラム人の旧首都であるスーサで大いに活用する必要があった《ペルシア人民》の無限に繰返される理想像であろうか。

作品データ

  • 射手のフリーズ

    アケメネス朝時代、ダレイオス1世の治世、紀元前510年頃

    イラン、スーサ、ダレイオス1世の宮殿、アパダーナ遺丘

  • 彩釉ケイ素質煉瓦

    高さ4.75m、幅3.75m

  • 1884-1886年、マルセル・デューラフォア調査隊

    AOD 488

  • 古代オリエント美術

    シュリー翼
    1階
    イラン、アケメネス朝ペルシア帝国:スサのダレイオス1世の宮殿 紀元前6‐紀元前5世紀
    展示室12b

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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