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作品 山羊形の瓶

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

山羊形の瓶

© 2002 Musée du Louvre / Christian Décamps

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Geneviève Pierrat-Bonnefois

エジプトの職人たちは、動物の自然な姿をとらえる優れた技術を持っていた。保存状態がきわめて良好な、仔連れの山羊を模した瓶は、エジプトのファラオ時代において稀にしか見られない、テラコッタの塑造芸術を知る上で貴重な作品である。

ヌビアの山羊、あるいは野生山羊

ヌビアの山羊あるいは野生山羊は、狩猟を主題とする絵画に一番多く描かれている動物であるが、時には家畜小屋で飼われることもあった。後方に向かって渦を巻く、凹凸模様の威厳ある角によって、山羊であることが識別できる。ここでは、母山羊は両脇に仔を2匹連れている。母山羊は左腹を下にして横たわっており、3本の脚を右側に出し、左の前脚を左側に折り曲げている。極めてよく観察されて描かれた背中の丸い立体感や、脚の写実的な表現は、アップリケのように図案化された仔山羊の表現と対照的である。

粘土彫刻の作例

この作品は、型を使わずに手で塑造にされたようだ。耳、角、および仔山羊の部分は、別個に作られて付け加えたものである。黒い線で、脚に輪郭、目、角、および背中の毛並みの分け目などの形が正確に描かれ、このはっきりした黒い線は、焼いた上質の粘土の磨かれた光沢のある赤い表面からくっきりと浮き出ている。粘土彫刻において、このような主題の瓶はきわめて稀で、エジプト美術ではあまり見かけられない。

斬新な瓶の工房

この作品は、確かに瓶として作られてはいるものの、おおよそ実用的ではない。山羊の口にある注ぎ口は、わずかに地面の方に曲がっている。トトメス3世からアメンヘテプ3世の治世にかけて、エジプトの陶工房では、このような造形的な魅力のある容器、すなわち彫刻の主題そのものの形をした容器が制作された。作品の主題としては、乳母と子供、召使い、楽師など主に家庭に結びついたものだったが、儀式や明確な宗教思想と結びつけることが困難な姿勢で表されている動物も見うけられる。中に何かを入れていた痕跡もなく、こうした容器が何に使用されていたのかは分っていない。心を惹かれるこれらの小品は、世俗的な娯楽の品として用いられ、当時のエジプト人の生活の趣味を反映していたものと思われる。

出典

- Un siècle de fouilles françaises, catalogue de l’exposition, Paris, 1980, p. 225-227.

- Egypt’s Golden Age. The Art of Living in the New Kingdom, catalogue de l’exposition, Boston, 1982, p. 105, notice n° 89.

作品データ

  • 山羊形の瓶

    新王国時代、第18王朝中頃、前1470-前1370年頃

    1906年にH.ゴーチエがドゥラ・アブ・アル=ナガの墓で発見

  • テラコッタ塑造、エンゴーベ、研磨、黒の彩色

    高さ10.2cm、幅15cm

  • 1907年に発掘の分配分としてエジプト政府から寄贈

    E 12659

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    新王国時代:再征服からアメンヘテプ3世まで 紀元前1550‐紀元前1353年頃
    展示室24

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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