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作品 恥らうアフロディーテ

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

恥らうアフロディーテ

© 1999 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

迷惑な視線により禊の最中に意表を付かれた、この女神アフロディーテの姿は、絶妙に官能性と恥じらいを混合している。女性の体の顕著な観察に適したこの主題は、クラシック時代に広く着想を得た、ヘレニズム時代のブロンズ像には珍しいものではない。この女神は、ローマ時代の一部の小像のように金の装身具により飾り立てられていた。シリアで発見されたこの作品は、ヘレニズム時代の東洋でのアフロディーテ崇拝の重要性を証明している。

ヘレニズム時代の東洋でのアフロディーテ崇拝

このブロンズ製の恥らうアフロディーテは、シドン(旧サイダ)付近のシリアにて発見された。この作品は、蒐集家ジョゼフ・ドゥリジェロが取得した後、1894年ルーヴル美術館のコレクションに加わった。これはギリシア世界の東部の地方で製作された多くの女神像のうちのひとつであり、とりわけエジプトやシリアでヘレニズム時代、アフロディーテに捧げられた信仰の重要性を証明している。女性と結婚の守護神であるこの女神は、現地の女神イシス・ハトホルとアシュトレトのギリシア化した形で出現した。ブロンズ像は、頻繁に見繕いをする姿、うずくまる姿勢、恥らう姿、アナディオメネ(水から出る)の姿、サンダルを脱ぐ姿などのアフロディーテを表現した有名な彫刻に着想を得ている。これらの図像の型は、時にはヘレニズム時代の信仰の諸教混合からの象徴により飾られた、テラコッタ製の小像の中にも使用された。

目を引く妙技と独創性をもつ作品

シドンのアフロディーテは、巧みな芸術家の作品である。その加工の繊細さ、モデリングに見られる気配り、いくつかの技術の独自性は、この彫像の例外的な質の高さを明確にし、あまり裕福ではない美術愛好家のための大量生産された粗悪な小像ではなく、洗練された作品のように堪能することを促す。両耳に開けられた耳たぶが示すように、そして装身具が残る他のローマ時代の小像との比較によりこの女神は、金の装身具で飾られていたに違いない。腕輪は、おそらく別に鋳造され、肩の位置に付けられた両腕のつなぎ目を隠す。今日空洞の銀がはめ込まれた瞳孔は、おそらく顔に表情を加える色彩と輝きを持つ素材により満たされていた。この小像は時に、スコパスのアポロンの縮小版の複製のように考えられていた。しかしながら形の豊満さ、項にまとめられ、厚ぼったく螺旋状の毛筋にて背中に流れる髪は、より前2世紀前半のヘレニズム時代の作家の作風を伝える。

恥じらいと官能性の絶妙な混合

アフロディーテは全裸で出現し、迷惑な視線により禊の最中に意表を付かれた。その両手で彼女は、多大な官能性が混じる恥じらいの仕草で胸と性器を隠そうとしている。ヘレニズム時代の世俗作品の背景としてこの主題は、女性の体を顕著に観察する口実であった。この主題は、クラシック時代の伝統と東洋の信仰から受け継がれた。事実この作品は、おそらくギリシア等身大彫像初めての女性裸体である、前4世紀中頃の有名なクニドスのアフロディーテを制作したアテナイの彫刻家、プラクシリテレスの作品の系統に属する。この彫像はまた、アシュトレトなどのそれらの性の象徴を示す東洋の神々にも着想を得ている。

出典

R. Thomas, Griechische Bronzestatuetten, 1992, p. 136, 184, fig. 137.
A. Pasquier, L'Aphrodite de Milo et les Aphrodites du Louvre, Paris, 1985, p. 62-63.
C. Rolley, Les Bronzes grecs, Fribourg, 1983, p. 203-204, 222, fig. 199.
E. Michon, "Trois Aphrodites ayant appartenu à Joseph Durighello", Syria VI, 1925, p. 306-309, pl. 28.
P. Jamot, "Vénus pudique, statuette de bronze", Monuments et Mémoires. Fondation Piot I, 1894, p. 150-164, pl. 21-22.

作品データ

  • 恥らうアフロディーテ

    前3世紀前半

    シドン、シリア(現レバノン)

    小アジア

  • ブロンズ、無垢鋳造、線刻、銀ではめ込まれた目

    高さ24.5cm

  • ドゥリジェロ・コレクション、1893年購入

    Br 413

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ブロンズの間
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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